『餃子4人前に、春巻きと酢豚、あとビール2本、
とりあえず、それ下さい。』
先日、中華料理屋での夕方のひとコマである。
この頼み方、最も、ポピュラーだと思いません?
ところがこの日、この店には、中国から渡ってきて間もない
新人の女性がいたのである。
「
トリアエズ・・?」
『あ、いや、<
鳥あえ酢>じゃなくてだね・・餃子と・・
ま、ま、
とりあえず、それ頂戴。』
(新人、必死にメニューを見ている)
「
トリアエズ・・?」
『いやいや、違うの。トリはあえなくていいの。
だから、酢豚と・・とにかく、
とりあえず、持ってきて。』
「スブタと
トリアエズ・・?」
『ごめん、又、
とりあえずって言っちゃった。』
「
トリアエズ・・?」
『悪かった、トリアエズの事は、とりあえず忘れてくれる?』
「
トリアエズ・・?」
『・・・あのね!もう一回最初から言うよ!餃子~~~
~~
とりあえず、それ下さい。』
なんで、日本人は、<とりあえず>って、言うんだろう?
言っている事に気付いてすらいない。
この後、追加注文の際、注意に注意を重ねたにも関らず、
<とりあえず>を連発したのであった。