《賭場放浪記》ギャンブルという英語を日本語に訳すと、
《賭け》になります。
今日は、賭け場を訪ねてみましょう。
日本には、公営の賭け場がいくつもあります。
有名なのが、競馬場。
ユーミンも唄っています。
♪~中央フリーウエイ
右に見える競馬場 左はビール工場~♪
中央高速道路ができたばかりの頃の歌です。
実は、その競馬場がある調布や、お隣りの府中には、
賭け場が他にもあります。
《京王閣競輪場》
自転車レースを調布市の多摩川沿いで開催しています。
《多摩川競艇場》
府中市にあるのですが、府中市はここでは競艇の開催をせず、
なぜか、東京大田区の《平和島競艇場》で開催しています。
どちらにも、賭けではなく、賭ける人たちが面白くて、
なんどか足を運びました。
「静かに興奮する」のが得意な人たちが、平日から大勢、
集まり、胸に赤鉛筆をさし、手に新聞を畳んで握っています。
周りにいる人たちには関心がなく、自分が行きたい場所に行き、
食べたいモノを食べています。
場内には、常にアナウンスが流れ、
次に何がおこなわれるのか、誰でも分かる仕組みです。
当時は、券の売り方が、今と違い。
窓口がそれぞれの買う券の番号で別れていました。
たとえば、2-3を買いたいと思えば、2-3の窓口があり、
2-4には2-4の窓口があったのです。
つまり、何が売れているのかが、イチ目瞭然なのです。
長蛇の列は、人頼みの人達の為に、
もっと長蛇になる理屈です。
賭け場には必ず食堂や立ち食い場がありました。
色んな食べ物が簡単に食べられるようになっています。
食に力を入れている賭け場は競輪場でした。
賭けにさほど執着のない私なんぞは、
食べに行きたいだけで、競輪場に通ったものです。
ついでに、いくつか車券に投資もしましたが、
負けたり負けたりで、気にしなくなります。
ほんの時折、少しだけ当たる事があります。
配当の窓口に並びます。
この時気づいたのですが、賭けというのは、
《勝った時にこそ、反省をしている》
負けた時は、「しゃーない、しゃーない」で済ませ、
勝った時には、
「なぜ、この一点に絞らなかったんだ?
最初からコレだと、言ってたじゃないか!」
ブツブツ窓口の並びで反省している。
ひとりだけかと思いきや、アッチでも、
「くっショ~倍賭けしとけば良かった!」
ソッチでも、
「アイツの意見なんか聞いたから、散らせて買ったじゃないか!」
おまけに、
「こんなチビっと当たったら、運を使い果たしちゃうヨ~」
並んでいるこの列は、外れた人達なのかと勘違いするほど。
そして、会場内には、とんでもない暗算をする女性がいたのである。
外の広場に立っている帽子をかぶった女性は、
賭け場に認められた、配当係りなのです。
複雑な計算を、いとも簡単に暗算で行います。
たとえば、アナタが配当1370円の券5枚をさしだしたとすると、
考える時間もなく、正しい金額を10円の単位まで、
間違いなく支払ってくれます。
仮に、580円の券15枚と1240円の券8枚を出すと、
同じくシンキングタイム無しで、その総量を払ってくれる。
しかも、そこから彼女の取り分5%を差し引いた額なのです。
(たしか5%だったと記憶しているが)
電卓もない時代に、この凄まじい計算力!
おそらくソロバンの上級者でしょう。
なぜ、そんな事を知っているかと言えば、
あまりの計算の速さと正確さに、おどろき、
あちこちに立っている彼女たちの周りをウロツイテ、
観察していたのである。
よくぞ警備員にしょっ引かれなかったものです。
賭け場は賭けなくても、面白い場所でありました。
もっといろいろあるのだが、いずれ又――
凍る苔