《マラソン大会》と名のつくものに、出たことがない。出てみようかと、ふと思いたった。
短いキロのクラスもある。
目にとまったのは、《ラン5キロ+2キロサップ》クラス。
5キロ走ったあと、海の上を2キロ、サップで漕いでゆく。
サップは慣れているので、問題はない。
問題は、ランである。
基本的に長距離を走るのが苦手である。
5キロを長距離と呼ぶのだろうか? というお叱りもあろうが、
ただジョギングをするのと、競争とでは訳が違う。
「競争しなければいいじゃないですか」
という意見もあろうが、
ヒトは、マラソンを《競争》と捉えている。
《戦い》という人すらいる。
ビリでもいいじゃないか・・・とは思わない。
自分を試す意味もあり、必死で走ろうとする。
本番は、子供も含め、様々なクラスに、
1000人以上のランナーがこぞり、私のクラスは、
全体のラストにスタートの号砲が鳴った。
20代から70代までの選手が大勢走り出した。
走り出しは、調子が良かった。
春先とはいえ、前日まで寒風吹きすさぶ天気だったものが、
号砲とともに、晴れ渡り、風も微風となる。
多くの背中を見ながら、タッタ タッタ タッタ
随分、走ったなと思った頃、1キロの指標が現れた。
調子がいいと思ったのは、走り始めだけで、
数日前に酷使した腰は、スノボーの過酷さを残していた。
タッタ タッタ タッタ
沿道に20人ほどの方が椅子に座られて、
声援を送ってくれる一帯があった。
まあまあ高齢の方達で、後ろには、
マンション?病院?の様なものがある。
なるほど、支援者の方達のお手伝いで、
皆さんを外に座ってもらい、声援を送ってもらっている。
ふと見ると、なにやら手書きの厚紙を持っている。
そこに書いてあった文字が・・・・・
《みんなガン》
えっえっ・・・どういうことだろうか?
「私たちは皆、ガンを宣告された」と言っているのだろうか?
そ・そんな・・・
只でさえ動悸激しい私の心臓が、いちオクターブ跳ね上がる。
走りながら、よくよく見ると、その方が両手で持った厚紙が、
一箇所折れ曲がっている。
チカラをこめ過ぎたのだろうか。
つまり見えていたのは、折れた厚紙の前半だった。
やがて、ちょうど折れ曲がりの逆側が見える所まで走って来た。
そこにあった文字は――
《バレ》
ふむ・・・《みんなガンバレ》
あ~びっくりしたぁ~
したものの、急に元気が出てきた。
(ありがとうございます、誤解して申し訳ありませんでした)
そしてこの後、5キロを走り切り、サップで海に出て、
2キロを漕ぎまくり、ゴールを目指した。
大きな拍手の中、アーチのゴールのテープを、
万歳して切った時に、会場アナウンスが流れた。
「これで本日のマラソン大会を終了いたします」
どうやら ビリ なのだと気づいた初めてのマラソン大会。
2キロのサップ漕ぎ

