イワシの旬は、3月である。でっぷり太り、さばくと脂が包丁にまとわりつく。
DNA だの EPAだのの、身体に良いとされている栄養分を、
わんさか持ち泳いでいる。
脂がのると、只でさえ日持ちしない弱い鰯が、
さらに日持ちしなくなり、早く食べてネとなる。
魚屋の店頭に、ザルに載せられ、ひとザル5匹680円。
目ん玉が黒々とキラキラ光っている様を見ると、
「ください」 迷いはない。
ところが・・・
「火を通してくださいネ」
やんわりと言われる。
見た目、かなり新鮮だとふんだ。
それなのに、刺身に出来ないと、言われている。
この魚屋は、スーパーの中にある魚屋である。
青魚やイカなどには、アニサキスという悪い奴が、
取りついている場合があり、
昨今のスーパーでは、たとえどんなに新鮮な魚であろうとも、
率先して、「刺身オッケー」の張り紙を出せないらしい。
あくまで、「熱を通して下さい」と言わざる得ないご時世なのである。
売り場の方の、じくじたる思いを鑑み、ニヤリとして、
5匹のぷくぷくの鰯をゲットしたのである。
とんで帰るや、丁寧に《刺身》におろし、
《鰯のなめろう》、《イワシの天ぷら》、《イワシのフライ》。
桜の花びら舞い散る3月に、
イワシ三昧となったのでありました。
イワシのなめろう