最近凝って造っているメニューが、コレ。《牛スジの煮込み》
飲み屋の定番と言ってよい人気オカズだ。
牛のスネなどの骨の近くにまとわり付くスジである。
筋肉の外側の膜と思える部位だのだが、
研いだ包丁で切るのが難しいほどの、硬いスジである。
大きなズンドウにたっぷりの水を入れ、
細かく刻んだ大量のスジ肉と玉ねぎを入れて、
グツグツ煮始める。
茹だつ前に、茶色のアクが噴きだす。
シャモジで休む暇もないほど、汲みだしてゆく。
アクとの格闘が暫しの間つづく。
脂も浮いてはいるのだが、ここでは無視する。
小一時間煮ていると、玉ねぎが消えそうになってくる。
そこで、ニンジンだのコンニャクだのを入れ、
お酒とみりんと醤油で味付けをする。
ニンニクはひとかけ。
鷹の爪を3~5本刻んで入れる。
さらに、弱火でグツグツ・・・・・
水分がかなりとんで汁が減ってきている。
ここで火を止め、さあ、食べるのかと言えば、
しばし、冷ましてから、冷蔵庫にしまう。
食べるのは次の日となる。
翌日、冷蔵庫から出すと一番上に、
脂の膜のカタマリが、5ミリほどの層となって浮いている。
コレを、箸で丁寧に除いてゆく。
もちろん、脂も旨いので食べてもいいのだが、
やはりそこは、脂少なめを貫こう。
牛スジ煮込みの場合、味わいが豊かなので、
脂を取り除いても、充分旨い。
器に盛りつけたら、ネギだのの青物を乗せて、
お出しする。
「お出しする」というのは、我が家に訪れた客の、
付きだしとして、最初にお出しする。
我が家がまるで、呑み屋となっている。
そう、我が家は、《石丸亭》と呼ばれ、訪れた友人らが、
飲み物だけを持参してやってくる。
お出しするメニューは毎回違う。
春なら春の旬ものがやはり嬉しいだろう。
好き嫌いは当然あるハズなのだが、そこは勢いで食べてもらう。
「勢い」とは、皆がうまいうまいと言って食べていれば、
たいがいのモノは、旨いと感じてしまう、という勢いだ。
勢いに乗れない人が損をする仕掛けになっている。
その後に、野菜サラダが続き、メインディッシュの刺身と、
繰り出される。
本日の魚は、脂ののりきった新鮮な生サバが手に入ったので、
シメサバを浅めで〆てお造りに――
どうぞ、お召しあがれ~