《ヘイル・メアリー》をご存じだろうか?アメリカンフットボールの最後の最後に、負けているチームが、
起死回生のロングパスを放る。
敵の選手がごっちゃりいる所に、超のつくロングパスを投げる。
成功確率は、きわめて低い。
そこで、「ヘイル・メアリーパス」 天頼みという訳だ。
日本語に訳すと、《一か八か》だの《うまくいったら儲けもの》だの、
もっとも当たっていると思われる訳が、
《あとは知らんよ》
今、この名前の映画が放映されている。
《プロジェクト ヘイル・メアリー》
原作は、《火星の人》を書いた作家アンディ・ウイアー。
彼の次回作ということで、日本語訳本を2年前にネットで探し、
超のつくビックリ値段で買い求めた。
読んだ。
コレはすぐに映画になるナと待ちに待った。
先日、三重県をぶらついている折、
映画館で上映されているのを見つけ、
あわててチケットを買って入場した。
すると――
「カバンをコインロッカーに預けて下さい」 と言われた。
ハテナマークを頭に浮かべ、
すでに予告編が始まっている館内の席につく。
(なんか変な椅子だな)
そしていよいよ始まろうとしたその時、
「開演前に4DXを体験しましょう」の文字が出た途端・・・
イスが跳ねあがり始めた。
音も大音響で響きわたる。
酔いそうになっている。
知らずに入ったのだが、いま、
4DXというシステムの映画鑑賞映画館があるらしい。
お子さま、病気の方、高齢の方は入場できないとの文字が。
そして、映画ヘイル・メアリーの上映開始となる。
2年間、首を長くして待った映画である。
暫くした頃、それは始まった。
・椅子が前後に傾く。
・イスがおおきく跳ね上がる。
・右に左に揺すぶられる。
・両耳の後ろから、シュッと風が当たる。
・スプレーのようなものが顔に向かって噴きつけられる。
なるほど、遊園地のアトラクションのようなものだな・・・
感心している内はまだ良かった。
やがてラストに近づくに連れ、振動に慣れてきた客を、
さらに驚かせようと、様々な手をうってくる。
・背中をどつかれる。
・足元にも風が吹きつけられる。
・館内全体に風が吹き渡る。
・爆発シーンには、煙りもでてきた。
・首がグラングランと揺すられる。
確かに、注意されたように、お年寄りで、腰だの胸だのに、
痛みがある方は、医者の世話になるかもしれない。
首に障害がある方は、絶対に来てはいけない。
そういえば、冒頭の注意の所で、
「霧の噴射で衣服などを濡らしたくない方は、
手すりにあるスイッチを押してください」と言ってたナ。
うん、なんども押したナ。
映画が終わり、暗闇から外に出たら、歩き方がおかしくなっていた。
夜中まで3軒ハシゴをして呑んだ時のような歩きだった。
映画はすでにここまで来ている。
いま気づいたが、日本語吹き替え版だった。
そうか、文字を読む余裕がなかったかもしれん。