わたしの主治医は、整形外科である。普通、主治医は内科である事が圧倒的だ。
ところが、おっちょこちょいの人間は、ケガをしやすい。
病院に行くのは、稀であるのだが、
この20年の過去を思い出してみても、
殆どが、整形外科。
骨が折れたことはない。
骨だけは、丈夫で折れにくいらしく、
代わりに他の部位がダメージを受け止める。
(いま「おれにくい」を漢字変換したら「俺肉」と変わった)
それはさておき、主治医は骨だけでなく肉も関節も修理してくれる。
特に【じん帯】は、なんどもお世話になっている。
先日、山の中を下っていたら、雨で濡れた斜面が、ズルッ。
左足がすべり、逆に身体は右の斜面に転んだ。
《逆》という文字が表現に出ると、悪い事が起きる。
《左足のヒザの内側じん帯》が伸びた。
あっ・・・やったナ
すぐに分かった。
医者にもかかってないのに、
《全治3週間》の診断が、頭にうかんだ。
まず、すぐに座り、ザックからテーピングテープを出す。
膝の内側に、ガッチリテープを貼ってゆく。
外側に動かないようにする。
下山までは、小一時間。
ストックをうまく使い、ヒザに負担がかからないように下る。
すぐにコンビニで割り氷を買い、患部をⅠ時間アイシング。
その後、湿布を張る。
これまでも、膝のじん帯は何度か伸ばしてきた。
いずれも《全治3週間》の診断だった。
しかし、仕事に支障を出してはいけないので、
毎回、3日で治してきた。
治すとは、とりあえず普通に歩ける状態である。
今回も、なんとか3日で普通に歩けるようになったが、
走ったり、ジャンプはできない。
全治は主治医の言う、3週間である。
その主治医の病院の、看板を描く依頼をされた。
横書きの8文字。
墨をすり、真っ白い紙を前に深呼吸する。
基本的には、《習字》であるが、私の場合、
墨絵を描いてきたので、思いは絵である。
瞑目して、骨を思い出す。
じん帯を思いうかべる。
じん帯がじわじわと良くなっていく様を想像する。
10分ほども、そうしていただろうか・・・・
突然、カッと目をひらくや、筆に墨を濡らし、
白紙にいきなり描きつけた。
津久井浜整形外科