
《富士山の噴火口の中で》
火山の分類はその昔、3つと言われていた。《活火山》 《休火山》 《死火山》
日本では、この分け方は分かりやすかった。
たとえば、活火山の代表は、鹿児島の桜島。
休火山の代表は、久住山など。
死火山の代表は、大山など。
ところが、休火山ってのはおかしいだろう。
という考えがおこり、まずこの言い方が無くなった。
その上、死火山は、「相当長い間、噴火していない山」
というレッテルだったのだが、この「相当」という認識を、
山の悠久の歴史の感覚で考えなおすと、
「死んでいないのではないか」とどなたかが唱え始め、
《死火山》の分類がなくなった。
つまり、《活火山》と《それ以外の火山》の
ふたつ分類となったのである。
活火山の代表の富士山が、休みを返上しようとしている。
歴史の中で、チョコチョコ噴いていた山なのに、
300年ほども動きがないのはおかしいじゃないか?
これはどなたかではなく、皆が唱え始め、
もし噴いた時の備えをしましょうと、「いよいよ」を信じ始めた。
以前から信じていた人たちも、
「ほらみたことか」を言わないようにし、
皆に準備をすすめている。
科学的な検証が、その準備のお手伝いをしている。
日本の中で富士山の噴火予想研究は進んでいるらしい。
なんせ、富士山のドテッパラにトンネルを掘り、
有料道路を拵えたのであるから、検証には自信があるハズ。
100年、50年前ならいざ知らず、
噴火予想を信じていい時代が来たと言えよう。
10数年前に、富士山の噴火口のひとつに、もぐったことがある。
洞窟探検家の吉田勝次さんの導きで、
地中の小さな噴火口のタテ穴を、ロープ下降した。
側壁は氷で埋まりはじめており、かなり狭く、
息を吐きだしながら胸板を薄くして、降りてゆくという作業。
ロープを数本使いかなり下降すると、突然、
まるでフラスコのような丸い空間に出た。
直径30mほどのフラスコの中にいるようだ。
壁は鮮やかな赤色で、床には氷柱が数十本林立している。
(冒頭写真)
っと、床の一箇所に、
直径2mほどの穴が、さらに地球の奥まで続いているではないか!
昔の噴火時の溶岩の通り道なのだと思われる。
穴の表面は透明の氷で埋まっている。
明かりで照らしそっと手で触ってみたが、
下方は黒々としてよく見えない。
氷の穴の上に立つのは勇気がいるだろう。
分厚い氷なのか?薄い氷なのか、見分けがつかない。
上に乗ってバリンッと割れでもしようものなら、
ジュールベルヌの地底探検を身をもって体験することになる。
映画では、滑り台となって、柔らかい土にランディングするが、
そうそう能天気な展開にはならないだろう。
氷点下0℃の地下世界は美しかった。
戻りは、登らねばならないので、身体が膨らむ。
ギリギリの登攀の末、脱出した時には、空に星が輝いていた。
先日の空から富士山