こわ~い話聞きたい? こわ~い話きらいかい?
それは、ある日のこと
下町の蕎麦屋に入ったのです。
真夏の真昼間でした。
椅子に座って、目を上げると、天井近くに
設置してあるテレビでは、高校野球の決勝戦が
行われている。
ふと、横をみると、下町を絵に描いたような、
じいさんが
蕎麦をすすっている。
アナ『さあ、9回の裏、2アウト満塁になりました!』
じいさん、蕎麦を食べ終わり、
爪楊枝を使っている。
チッチッチッ
目は、テレビに釘づけだ。
アナ『ピッチャー投げた!おうっとファールだ!』
じいさん、爪楊枝を、
右手の
人差し指を折り曲げて、
挟んだ。(参照⇒)
そして、残った指で、
お茶の湯のみを掴む。
テレビに見入ったまま・・
右手を上げていく。
口元に
湯のみを近づける!
近づける!
当然、
爪楊枝の先は、真っすぐ、右の瞳を狙っている。
アナ『打ったあー!
センターバック!入るか入るかあ~!!』
「
ぎゃあああああああ!!!!!」
真夏の蕎麦屋に、甲子園の歓声とともに、
凄まじい悲鳴がとどろいたのであった。