<富山産> ブリ
<北海道産> ししゃも
<和歌山産> クエ
魚も
産地を表示するようになった。
いい事である。正確かどうかはともかく、
食べる時に、イメージが楽しくなる。
(ああ、あの荒れ狂う吹雪の海で、捕れたカニなんだな)
県単位ではなく、ブランド魚になると、もっと、細かい。
<佐賀関産> さば 大分県
<十三湖> しじみ 青森県
など、自信があるのだろう。
と思っていたら、スーパーにこんな魚が・・
<
太平洋産> 切り身
おい!ちょっと待てよお~
いいのか、それで!
以前、<
瀬戸内産>というのを、発見した時に、
(いいのかなあ)とちょっと思った。でも、許した。
その後、
<
日本海産>というのに出会った。
しばらく、見つめていた。
(太平洋
ではない・という主張なんだろう)
と思う事で、無理やり、その場を去った。
そこへ、コレだ。 <
太平洋産>
いいのか!ドン!(パソコンの横の机を叩く音)
世界一広い海がどこか、小学生でも知ってるぞ。
モアイ像も太平洋を眺めているぞ。
これは、<
地球産>と書いてあるのと、たいして変わりないぞ。
むしろ、<
海の魚> <
川の魚>の方がまだいい。
書かれた
切り身の、身になってみろ。
オレだったら、グレルぞ。
隣に<伊豆産>のキンメ鯛がいるんだぞ。
海が大きけりゃいいってもんじゃないんだ。
大は小を兼ねて、いい時と悪い時があるんだ。
これは、悪い時なんだ。
つまり、こう言う事なんだ。
ドイツのサッカーワールドカップに応援に行ったとしよう。
ドイツ人に、どこから来たの、と尋ねられた時、
一緒にいる、フランス人の友人に、こう紹介されるんだよ。
『
こいつ、太平洋の奴』
まあ、買って、食べちゃったけどね。