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ハンモック>
いい響きだ・・
ハンモックと聞いただけで、いろんな想像が膨らむ。
~ハンモック~
南の島だ。椰子の木だ。
椰子の木と椰子の木をハンモックで繋ぐ。
さわやかな風が、ここちいい日陰だ。
ハンモックに寝転び、本を読む・・
いつしか、ウトウトのまどろみの中、昼寝に引き込まれる。
《よお~し、ハンモックを買おう!》
といって、ハンモックを買ったとしよう。
木と木に繋ぐ。ここまではいい。
さあ、乗ってみよう。
コレが、難しい。
ひょいと気軽に乗ろうもんなら、クルリとひっくり返ってしまう。
ドスン!
では、そお~と乗ったとしましょう。
(あれ?ちょっと横向いてしまったな)
と思って、真上に向けて
修正しようとするのだが、
編みの目が引っかかって、なかなか上に向けない。
では、なんとか真上を向いたとしましょう。
(身体が曲がってるな)
ハンモックは網であるからして、当然
たわむ。
尻のあたりが最も沈む。
肩も両方の網で圧迫されて、窮屈だ。
文庫本を持ってみると、腕が縮こまっている。
満員電車で、本を読んでいる様に似ている。
しょうがない、眠ろう。
身体の格好が不自由だ。
これが網ではなく、ただの袋だったら、
捕まえられた小動物と同じだな。
寝返りがうてない。
さらに、しばしば勘違いされる事だが、
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ハンモックは揺れない>
揺れているハンモックを見た覚えがある方。
それは、
誰かが揺すったか、
乗った直後かでしょう。
自力では、揺れません。
『え~でも、テレビのCMでは、揺れてるよお~』
だからあ、誰かが揺すったのですよ。
イメージですよ、イメージ・・
まあ、仮に、ほどなく眠ってしまったとしましょう。
目が覚めました。
さあ、最後の難関、
降りなければなりませんぞ。