
『♪~春こうろお~のー花の宴~♪』
滝廉太郎作曲の<荒城の月>である。
この荒城とは、大分県の竹田市という所にある。
その町に由緒正しい、武家屋敷の町並みがある。
その中の一軒が、イシマル家の住まいだった。
けんじろう君小学6年の事である。
門があった。立派だった。立派過ぎて、普段開けてなかった。
横に小さな扉がついていた。
さて、来客がその扉をくぐると、石畳の坂道を下っていく。
やっと、玄関だ。
玄関といっても、横幅、5・6メートルはあろうか。
何といっても、
本物の武家屋敷だ。
遠山の金さんが『桜吹雪があ~』といって、足をドンと出す
アレだと思っていただけたらいい。
(え~とブザーは無いのかな?)
客は探しても見つからない。
横の柱に、大きな釣鐘がぶら下がっている。
下に、木槌が掛けてある。
そうなのだ。
余りにも、家が広いので、ブザーなんか鳴らしても
聞こえないのだ。
客が釣鐘を打つ!
カアアアア~~~~ン!
その音を台所で聞いた母親が、まずは廊下を走り、
障子やふすまを
開けたり閉めたり、シメタリアケタリ
イヤに成る程、繰り返してやっと、遠山の金さん
登場となるのだ。
掃除が大変! 部屋が多過ぎるので、
何室も鍵を掛けて、開かずの間にしていた。
又、この屋敷に
蔵があった。
その中の物を県が、博物館に持っていった事があった。
しかし、県は屋敷の内部は見なかった。
実は両親の寝室には、
本物の槍が、欄干の上に、
数本架かっていたのだ。
自称剣道五段の父親が、時々、振り回していた。
「シャシン、トッテもイデスカ?」
外国人の観光客がその姿を写している。
庭も広く立派だった。
池には、太鼓橋も架かっていた。
3歳下の妹がいるのだが、このお屋敷が
妹のクラスの
遠足場所になった事があった。
つまり、妹は、朝お弁当を持って、学校まで行き
遠足で、我が家に帰り、遠足の帰りに学校に行き、
再び、我が家に帰ってくる・・という。
何ともややこしい
遠足の2倍をやっていたのだ。
この家はとても一日では語れないので、又明日・・バイバイ
(そういえば、一昨日18歳までに住んだ家の数が
23と書いたが、あと
2つ思い出した・・ので、
25)