<腕ひしぎ十字固め> (うでひしぎじゅうじがため)
昨今、テレビの格闘技番組の中で、頻繁に出てくる用語である。
元々は、日本の柔道のワザの用語だ。
イシマルも、柔道を教わった時代に、当然このワザを教わった。
正確には、<腕ひしぎ逆十字固め>(上下が逆)
そこで、にわか格闘技ファンに問いたい。
<ひしぎ>って何?
その前にこっちを片付けとこう。
<十字固め>
見た目が十字だから、十字固め。
うん!実に解りやすい。
その昔、プロレスでデストロイヤーの<4の字固め>
というのがあったが、そっちを説明する方が難しいだろう。
さて、戻って、
<ひしぎ>ひしぎ って何だろう?
ねえねえ、最近
「ひしぎ」という言葉を使った事あります?
いえいえ、ここ十年、
「ひしぎ」を使いましたか?
もっと云うならば、生まれてこのかた、
「ひしぎ」って言いました?
「腕ひしぎ」と言うんだから・・なんか、腕を逆方向に
ギリギリとねじ挙げるんだろう。
そのねじ挙げ加減を、「ひしぐ」と云うんだろう。
(おっ今、
「ひしぐ」 と
動詞を使った)
そうなのか!
腕をひしぐのだ。
動詞ってのは様々な変化形を持っているよね。
よし、変化させてみよう。
彼ら格闘家は、敵に向って、
「きさまの腕、
ひしいでやる!」と威嚇しているに違いない。
『くっそー!』
ひしがれた腕をブラブラさせながら、
負けた戦士は去っていく。
全く勝てない戦士達に向って、トレーナーが
『もっと、ひしごうぜ。ガンガンひしがなきゃ!』
「でも先生、奴だけは、ひしげないんです!」
大会会場では、ひしぎコールが鳴り響く。
『
ひぃしげ!ひぃしげ!ウゥデひぃしげ!』
さらに、応援の黄色い声が鳴り響く。
『キャー死に物狂いで
ひしぎきってぇ~』
インタビューで長崎県代表が
『ばってん、
ひしがれんかったとじゃ。』
応援の京都舞妓はんが
『ウチ、
ひぃしがらへんわぁ~』
<腕ひしぎ十字固め>
格闘技のワザの中でも、非常に
特殊な名前である事を知ってください。