ニューヨーク、エンパイアステートビルのてっぺんは
グルリと外に出られる様になっている。
何故か?
その先は、尖った棒が伸びている。
何故か?
あのビルが建てられた当時、世界には、飛行船が飛んでいた。
ドイツから飛んで来たヒンデンブルグ号は有名だ。
その飛行船の
繋留点が、エンパイアステートビルだったのだ。
ビルの先っちょに、繋留する。
客は、タラップでビルに降りるのだ。
風向きで飛行船が回転しても、タラップはグルリと
ビルの周りを廻るだけだ。
ただし、実現する前に、ヒンデンブルグは爆発してしまった。
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飛行船に乗れる!>
日本で、飛行船に乗った人は、宝くじの高額当選者より
遥かに少ないらしい。
その
飛行船に乗れるという。
友人の知人の親戚が飛行船の会社の方だったのだ。
晴れた風の弱い日だ。
大阪の
関空の拡張工事現場に来いという。
何をどう準備していいのか、分けも解らず向った。
同乗するのは、ぼんちおさむちゃんと劇作家後藤ひろひとだ。
3人とも、異常に興奮していた。
広い!
4キロ×1キロのだだっ広い新滑走路にポツンと
その巨体は、地面に縛られていた。
世界最大の飛行船 ツェッペリン号(ドイツ製)
長さ; 75m
最大幅; 19,5m
乗員乗客数; 14名
最大飛行速度; 125km/h
航続可能距離; 900km
上昇限度; 2600m
ジャンボジェットより、でかい。
機長『体重を申告して下さい』
全員の体重やら荷物を計算し、ヘリウムの量やバラスト
(重り)の量を調整する。
機長『これが、飛行船の外皮です』
見せてくれたサンプルは、とんでもなく薄い切れっ端だ。
暑さ1ミリしかない。バスケットボールより薄い。
機長『マースアタックの時、火星にランディングした
あのボールの外皮と同じ物です。』
イシマル「破けたりしないんですか?」
機長『火星に秒速数100mでぶつかって破れましたか?』
イシマル「いえ、見えなかったんで・・」
機長『たとえ破れても、ヘリウムガスはすぐに抜けません。』
イシマル「…?」
機長『外気とガスは気圧は同じです。もし、顔位の穴が開いても
全部抜けるのに8時間かかります。』
午前10時、二人のパイロットを合わせて10人の人間を乗せた
巨大飛行船が大気の中でフリーになった。
さて、この続きは明日って事で・・・なんせ大冒険だからして・・