
『
おおおォ!サカナが溺れている!』
魚が溺れている所を見た事って、ある?
意味が解りませ~ンという方は、どうぞオヤスミ下さい。
おほほほ
溺れるのだ・・魚も。
その瞬間を見たのだ、私は!
あれは・・・・
冬の寒い日だった。
ウインドサーフィンをしていた。
かなりの波が立っている日だった。
波打ち際では、
ダンパーが凄まじかった。
(*ダンパー;波打ち際に打ち付ける大波の事)
ハアハアハア・・
あまりのダンパーに体力を削がれ、
砂浜で息を整えていたその時だった。
高さ2メートルを越えるカールした波の中に
魚の姿を見た。
デカイ!
岸から数mの場所でブレイクする波の中にいる魚としては
デカ過ぎる。
と思う間もなく、波が真っ逆さまに落っこちた。
ドダ~ン!
これが、<ダンパー>
ところが、その魚は
ダンパーを知らなかったらしい。
その魚は、世の中に、(失礼)海の中に、
ダンパーと云うものがある事を、教えて貰わなかった様だ。
小魚を追って、浪打際まで来たらしい。
すると、どうなる・・
ドダ~ン!
奴は、砂浜に思いっきり、叩きつけられた。
バタバタバタ!
デカイ!
スワっ!
ドライスーツを着ているイシマル、脱兎の如く駆け出した。
おお~と、引き波の中に魚は戻っていく。
『逃すものか!』
ダンパーの中に飛び込む。
息が出来ない!溺れる!
ドダ~ン!
魚とイシマルが同時に砂浜に投げ出される。
泡まみれ砂まみれになる。
必死で魚の尻尾を掴む。
バタバタバタ!
再び引き波!ゴーッ!
そして、ダンパー
ドダ~ン!
召し取った魚の名前は、<スズキ>
体長 90センチ
溺れちまった哀れなスズキ君とイシマル君は、
ハアハアと息絶え絶えだった。
そして、その夜、
友人が集まり、
素手で大魚をしとめた男の家で
スズキ鍋がふるまわれたのであった。