<バイキング料理> が盛んだ。
昨今の、観光旅館に行くと、朝食は殆どがバイキングだ。
様々なものが、大量に食べられるので、
栄養を気にしている人には、都合がいい。
飲み物も、ジュース3種類にコーヒー紅茶、牛乳と
全部飲んでしまう。
卵料理も、ゆで卵、スクランブルエッグ、目玉焼き、
ダシ巻き、生卵、全部採ってくる。
味噌汁も赤だしと白味噌。
おかずは、採らないものが無いくらいだ。
トレイは必然的に二つになる。
余りにも、おなかが空いている時には、
二巡目には、パン食にする。
『あの人、さっきぐるりと採って廻ってたじゃない』
という冷ややかな目がある様な気がして、
少し、猫背になる。
バイキングの本場といえば、スェーデンだ。
20年前、その本場で、バイキング料理を食べた事がある。
テレビのスタッフと一緒だった。
全員初めての本場バイキング料理だ。
興奮していた。
会場に入ると、(レストランなのだが、会場という雰囲気だ)
夥しい数の料理が並んでいる。
歩けども歩けども、料理料理のオンパレードだ。
ちっちゃい前菜風のモノから、肉や魚、スープにサラダ。
ケーキだけでも、
「トラックで運んで来たんかい!」
と叫びそうになる。
さあ!
大皿を抱え、我ら
ジャパニーズ食い意地張り部隊は
突撃だ!
ドタドタドタ
しばらくしてベースキャンプの丸テーブルに戻って来た、
おのおの両手の大皿には、
富士山の様に積み上げた、戦利品の数々。
「ふむふむ、ソレを入れましたか・・」
「やっぱ、コレは外せないでしょ」
「しまった、その手があったか・・」
喧々諤々、品定めに余念が無い。
それではカンパ~イ!
ガツガツ、モグモグ・・・
ゲフっ・・・
あっという間の、15分。
腹が満たされ、落ち着いて周りを見回すと、
同時に入ってきた
御当地の方達は、
シェリー酒片手に、大きな皿にチョコンと乗せた
前菜をついばんでいる。
やには、立ち上がり、スープを取りに行っている。
えっ?
バイキングって、
少しづつ持って来るの?
そうだったのだ。
少しづつなのだ。
ワインを代えたりするのだ。
魚料理と肉料理を同じ皿に入れるなんて
もっての外なのだ。
ましてや、ケーキも入れるなんて。
良く見れば、小皿がいっぱいあるじゃないか。
良く見れば、ナイフやホークにスプーンは
料理の度に代えているじゃないか。
みんな、2時間以上かけて食事するそうじゃないか。
早い話が、普通のレストランの食事を、
自分で採りに行くだけの事じゃないか。
ないかじゃないか。
ジャパニーズの大恥をかいてしまいました。
ごめんなさい。