
『秘策がある』
こう言うと、敵はおびえる。
おびえなくとも、身構える。
警戒する。
私、イシマル、随分<
秘策>を編み出してきた。
勿論、スポーツに於いてである。
そもそも、スポーツに、秘策は必要ない。
正々堂々戦えばいいのだ。
しかし、身体の大小とか、体重の大小とか、
年齢の大小とか、肝っタマの大小とか、
大小問題が、大問題となる。
そこで、大問題に立ち向かった<小>の方たちが、
必然的に<秘策>を編み出す。
イシマルも、常に<小>の方だった。
TBS系列のスポーツNO1でも出場者15人中、
下から二人目の<小>である。
その上、年齢だけは<大>である。
必然的に、<秘策>を編み出す。
その秘策を、
使う、使わないの問題ではない。
<秘策>そのものを、思いつくのである。
身体のでかい奴に勝つ方法を思いつくのである。
ほんのちょっと、
インチキかもしれない方法が浮かぶのである。
柔道しかり、ラグビーしかり、サッカーしかり、野球しかり
ウインドサーフィンレースしかり、
いつも、秘策をたくさん用意していた。
用意していたが、ほとんど使わなかった。
何故か・・
それはだね・・・
イシマルの<
秘策その1>が猛威を震っていたからなのだ。
さて、秘策その1 とはなんぞや?
え~と、秘密なんで、ちっちゃい声でいいますね。
{
イシマルが敵のアナタに対して秘策を持っている}
これを、人づてに伝わる様にするだけでいい。
それだけで、相手は疑心暗鬼に陥るのだ。
自ら、墓穴を掘ってくれるのだ。
間違えた力の出し方をしてしまうのだ。
しまった!秘策を喋ってしまった!
秘なのに・・