
今、あなたが湖の畔にいると思って下さい。
これから、この湖に潜ろうとしていると思って下さい。
潜ると云っても、
スキューバダイビングの道具はありません。
あるのは、ホースです。
その辺にあるホースです。
緑のゴムホースです。
3メートルのホースがあり、その片側を口に咥えて、
水中に沈もうというのです。
<
水中でホースを使って息をしよう>
そう考えたのです。
ブクブクブク・・・
身体に重りを付けて、私の身体が沈んでいく。
「さあ、息を吸おう!」
(あれっ?吸えないぞ。息が出来ないぞ!なんでなんで?
まだ、水深50センチにも達していないのに・・)
そうなのだ。
大気中で、ホースを咥えて吸えば、普通に空気が入ってくる。
だのに、ほんのちょっと潜っただけで、
ホースを通して、なぜか空気を吸えないのだ。
さて、考えてみよう。
理由はなんだろう?
我ら、一生懸命考えた。
ケンケンガクガク・・
『
ホースが水圧で縮まるんだろ』
『
肺が水圧で膨らまないんだろ』
『水中のプレッシャーで、
吸い方が弱いんだろ』
『
ひょっとこ顔が、イヤなんだろ』
『二日酔いで、吸う気力がないんだろ』
『水中で尿意をもよおして、それどころじゃないんだろ』
ガクガクケンケン・・
誹謗を振り切り、
何度もチャレンジした。
う~ん、わからない。
なんで、息が出来ないのぉ?
おせぇーて!