
テレビを見なかったらどうなるだろう?
数年前、ふと思いついて、テレビ絶ちに挑戦した。
テレビ大好きの私が、チャレンジしたのである。
テレビに出ている私が、そんな馬鹿を敢行したのである。
そして、テレビだけではなく、
新聞、週刊誌などなど、
情報メディアを絶ったのである。
「何で、そんな事したの?」
別に意味はない。
ただ、やってみたかったのだ。
果たして、生活に困るだろうか? 困らないだろうか?
今は無き、小渕さんが、首相に任命される頃だった。
テレビも、新聞も見ないという事は、
世の中で何が起こっているのか解らない。
大きな事件が起こっても、知りようがない。
全く世間から断絶された、世捨て人状態だ。
・・と思うでしょ。
ところが、その日から、私の耳はダンボになったのだ。
回りで話しをする人の声に敏感になったのだ。
ロケ先で、喋る役者や、スタッフの話を
じっくり聞くようになった。
単語に敏感になった。
「小渕首相・・」
なんて、それまで聞いた事のない単語が飛び出すと、
(そうか、首相が代わったのか)
「テポドン・・」
(どういう丼だろう?)
何か事件が起きると、皆がその話ばかりをし出す。
あちこちで、その事件の話を聞いていると、
大概の
あらすじが掴める。
後になって、その事件の文書を読んでも、
殆ど、知っている事実に驚く。
<人の話を聞く>
この大事さに気付いたのである。
3人の意見を聞き、その平均値をとれば、
まあ、だいたい間違いのない情報に辿り着く事も知った。
このチャレンジは半年続いた。
そして、突然やめた。
なぜ、やめたか?
どなたが
亡くなって、どなたが
生きておられるのか?
分からなくなったのである。
こりゃあ失礼だってんで、急遽終了した。
その後、見始めたテレビの面白い事、面白い事!