<アフレコ> と <アテレコ> の違いってわかる?
<アフレコ>とは、
アフター
レコーディング、
つまり、自分が登場していて、その映像に自分がセリフを喋る。
往年の映画はほとんどアフレコだった。
寅さんも、アフレコだ。
よくよく見ると、随分、声と動く口が合っていない。
<アテレコ>とは、
当てる
レコーディング、
つまり、自分以外の人物の声を喋る。
海外の映画の吹き替えバージョンがコレに当たる。
アニメの声も、アテレコと言っていい。
と、ここまでは、解りましたね。
では、このケースはどうなるのでしょう。
俳優
大沢たかお君が以前 NHKのドラマで、
全編英語で喋っていた。
いや、彼だけでなく、登場人物が全員海外の人で、
日本語字幕付きのドラマだったのだ。
それを、日本向けに放送する段になり、
急遽、
日本語に吹きかえる事となった。
私イシマルも参加し、外国人の吹き替えをした。
さあ皆さん、それは何と言うのでしたっけ?
そう、<アテレコ>・・ですね。
良く出来ました。
それでは、大沢たかお君の場合は、何と言うのでしょう?
自分が喋っている映像に、自分で声を入れるのだ。
<アフレコ>ですか?
でも、口元は、英語の発声をしているのですよ。
「thank you」という口元に
「ありがとう」と喋っているのですよ。
だったら、
<アテレコ>ですか?
『thank youもありがとうも、口形がほとんど同じだから
どっちでもいいんじゃない』
と思ったあなた、今はそんな事を問題にしている訳ではないのだ。
大沢たかお君の
心情が問題になっているのだ。
実は、アテレコとアフレコは、似て非なるものなのである。
取り組み方が違うのである。
アテレコの場合、ある程度の
創作が出来る。
しかし、アフレコは、
自分の演技にすべての責任が生じるのである。
大沢たかおすべての責任において、演じているのである。
さあ、そう考えると、アテなのかアフなのか?
余計解らなくなってきた。
本人は、ケロっと喋っていたが、
どっちだと思っていたのだろう?