
「やりました、金メダル!北島康介、世界新です!」
アナウンサーが絶叫する。
プールの壁にタッチした北島が、振り向き
水中メガネを両手で、頭上にずらし、
電光掲示板を見つめる。
そして歓喜のガッツポーズ!
この瞬間の映像を何度か見ましたよね。
あの映像の中に、
あなたが知っていて、
忘れている事があるのだ。
彼は、北島君は、実は
足がツイテいないのだ。
プールの底に届いていないのだ。
という事はつまり、立ち泳ぎしているのだ。
オリンピックを始めとする、競泳用のプールは
通常足が届かない。
泳げない人は、入らない方がいい。
溺れる。
そう、泳げない人にとっては、
北島君のあのガッツポーズ姿は、驚きなのである。
立ち泳ぎなんて、驚異の3乗なのである。
おまけに、両手空中に出してるし・・
「えっ!競泳用のプールって、足がつかないの?」
と、今初めて知った方。
知って良かったですねえ。
知らずに飛び込んで、途中まで泳いで、
ブクブク溺れたくないもんねえ。
私の友人に、何千メートルも泳げるのに、
足のつくプールでしか泳げない人がいる。
彼はバタフライも出来る能力を持っているのに、
立ち泳ぎをした事がないのである。
さっき、
競泳用のプールは、通常足が届かない と書いた。
通常、と書いた。
身長2メートル近いあの人は、足がツイてるんだろうなあ~
イアン ソープ