世界の車窓からの番組撮影で、イギリスに行って来た。
「え~アレって、ホントに行ってるんですかア?」
『うん、行ってるんです』
・・と言っても、スペシャル番組として、時々ね。
「え~イシマルさん、英語とか喋れるんですかア?」
『I can speak English ア リロル』
ア・
リロルである。
どの位、ア・リロルかというとだね。
そう云えば、以前、アメリカに向う飛行機の中で、
スチュワーデス、いや、客室乗務員(以下、客乗)が
こうのたまう。
「
カポトレ」
こっちは、食事中である。
でっかい白人女性の客乗が、上から見降ろし、
「カポトレ」
(んん・・? 何を取れってか?)
「カポトレ」
(カッポレを踊れ?でもないし・・)
こっちがポカ~ンとしていると、
眉毛を吊り上げ、思いっきり、肩をすくめて、
去って行った。
あんだよ、その態度おお・・
ふむ、今のは、何だったんだろう?
すると、暫くして又、
肩すくめ客乗がやって来て、
「カポトレ」
(又かよ)
「カポトレ」・・と、食事中の食器を指差す。
『え?カップ?・・
カップを取れ?』
目の前のカップにコーヒーを注いでくれようとしているらしい。
(はいはい、カップくらい
取りますよ)
・・と見ると、肩すくめ客乗は、お盆を差し出している。
お盆の上に、カップを乗せろと、合図している。
ん?
<お盆の上にカップを乗せろ>
お盆=トレイ
<トレイの上にカップ>
<カップ オン トレイ>
「
カポトレ」
大いなるナゾは、かくも簡単に解けた。
カッポレを踊らなくてよかった。
これからの旅行の不安が、やや和らいだ。
英語がア・リロルでも、何とかなる目星がついた。
『きみ、きみ・・』
気を良くした私が、肩すくめ客乗を呼ぶ。
私は、パンが食べたいのだ。
客乗「パードン?」
イシマル『
アイ アム パン』