<サバ>
「まあた、サバの話ですかあ~」
とお嘆きの貴兄に、驚いて頂くお話しです。
勿論、サバの話です。
あなたが、普段食べているサバの大きさって、知ってますか?
切り身ではなく、元の本体の大きさです。
通常のスーパーで売られているサバを、重さで言うと、
300~500gである。
え~と、大きさの感覚が分らない方、
手近にある500ccのペットボトルを手に取って下さい。
そいつが
500gのサバです。
「奥さん!シメサバいけますよ~!」
と気勢を挙げている魚屋のアンちゃんが、指差している
結構大きめのサバで、
600gどまりである。
デパ地下に行くと、鮮魚コーナーがあり、
ちょいとお値段の張る魚たちが、一匹そのままで売られている。
その鯛やヒラメの隣に、ドデンと転がしてあるサバがいる。
そいつは見事な、
800gである。
さあさあ、その上のサバ・・
1kgのサバは、
街中に出て来ない。
産地から、直接料理屋に運ばれていく。
箱に入れられ、神輿にかつがれ、運ばれていく。
では、今日の本題だ。
それ以上のサバは
いないのだろうか?
・・・
いる。
時たま、ほんとにたま~に、
1,2kgの奴がいる。
釣りをしていて、揚がる事がある。
みんなが驚く。
みんなが、釣った人の所まで、わざわざ覗きにくる。
そして、賞賛の声をあげる。
明らかに、憧憬のマナザシを向ける。
よだれを垂らしたりする。
では、
ではでは、
それ以上のサバは、
いないのだろうか?
残念ながら
いない・・・・・と思っていた。
見た事もないし、聞いた事もなかったからだ。
では、ご紹介いたしましょう。
我らがサバ界のスーパースター!
モンスター級の超ど級!
1、4kgの大サバで~す!
下に敷いている白の長さが50センチである。
50センチとは、成人男子がイスに座った時の、
床から膝の高さまでである。
イシマルの鍛えられた二の腕より、遥かに太い!
私が乗っていた釣り船、広川丸の船長が釣り上げたのだ。
あまりのバカでかさに、誰もが、サバだと言わなかった。
「こりゃなんだ!」
『なんだこりゃ!」
口々に、同じ言葉を繰り返す。
私はと言えば、茫然自失・・口をパクパク・・
あまりの出来事にうなされていたら、
帰りに船長が、その大サバをプレゼントしてくれた。
よほど、よだれダラダラ顔をしていたのだろう。
海は広いなあ~
刺身で食べた。
サバは、旨いなあ~