ロンドンには、ロンドンタクシーというものがある。
「え~イシマルさん、
まだ、イギリスにカブレてるんですかぁ~」
まあまあ、そう言わずに聞いて下さい。
ロンドンタクシーはタッパが高い。
すなわち、乗り込む時、屈まなくて済む。
ちっちゃいお婆ちゃんだったら、歩いてきたそのまま
歩いて乗り込める。
座席にドスンと座ると、頭の上は、
手を思いっきり伸ばしてアクビが出来る。
非常に快適である。
ところが、問題もある。
どんな問題か?
ロンドンタクシーの客席は、基本的に5人掛けだ。
運転席の後ろのスペースに5人が腰掛けられる。
さて、どうなっているか?
最近の車で、後部座席が2列になっているものがあるでしょ。
その
前部座席が
180度ひっくり返って、
後ろ向きになっていると、思って下さい。
つまり、前部座席に座っている人間は、
常日頃、自動車に乗っての有り得ない体験をしている訳だ。
列車ならいざ知らず、自動車では後ろ向きに座る事はないわな。
ないわな、どころか、
後ろ向きに座ったら、気持ち悪いわな。
そう、その通り、ロンドンタクシーの後ろ向きの席は
気持ち悪い。
短時間でも、ウッとくる。
中時間なら、グブッとくる。
長時間の事は・・書きたくない。
それでも、
イギリス紳士はさすがだ。
たとえ、長時間だろうとも、背筋を伸ばして、
クイーンズイングリッシュを操る事に余念がない。
車はおろか、自らのワイシャツを汚すなんて事は、有り得ない。
どんな場所でも、
ダブルオーセブンの御国である。
そんな、ロンドンタクシー乗ってみたいでしょ。
あるんですよ。
日本にもあるんですよ。
イギリスから取り寄せた、ロンドンタクシー!
京都駅の駅前で、客待ちをしている。
基本料金がほんの少し高いだけで、普通に乗れる。
今度、京都に行く機会があったら、乗ってみましょ。
ただし、日本では、後ろ向きの席は、外されて無い。
まあ、そらそうだろね、
ぼくら日本人、
胃を裏返す達人だもんね。