夕焼けの写真を撮る・・
コレが又、非常にアトを引く撮影になるのだな。
その説明の前に、朝焼けを例に挙げてみよう。
朝焼けにあなたが、出会ったとしよう。
(おお、素晴らしい!なんという朱の色だ!)
早速カメラを取り出す。あれっカメラどこだ?
カバンの奥の方にあるようだ。
やっと取り出し、もどかしげに、シャッターを切る。
たった、その間に、朱の色が、やや
アセテきている。
(もう一枚撮ろうかなぁ)
と考えている間に、陽は登り、色は更に、
アセテいく。
これが、朝焼けの撮影の典型例だ。
従って、撮れた写真の枚数は少ない。
ところが、夕焼けはこうはいかない。
(おお、素晴らしい!なんという朱の色だ!)
感動の入り方は、私の場合、ワンパターンだ。
あれっカメラはどこだ?
探すのも同じだ。
パシャっパシャっ
縦やら、横やら、シャッターを押す。
やには、朱の色がどんどん深まる西の空に、目が釘付けになる。
今、撮ったにも係わらず、再びシャッターを押す。
パシャっパシャっ
(デジカメなのに、パシャっはないわな)
などと、無駄にホザイテいる間にも、夕陽は大きな変化を見せる。
紅蓮の雲に一部を隠したり、体長を引き伸ばしたり・・
その度に、パシャっパシャっ
そして、その黄金の身体が少しずつ欠けていく姿に
追い討ちを掛けるかの如く、
パシャっパシャっ
っと、とうとう太陽が沈んだ。
メロスの命運も尽きた。
ところが、ところが、夕焼け撮影はまだまだ続く。
むしろ、
これからが本番と言ってもいい。
刻々と変わりゆく茜ね雲にピントを送ったり、
ズームしたり・・
はっと気付いた時には、チップ全量埋まっていたりする。
昔のカメラで言う所の、
36枚撮りフィルム数本あっという間である。
夕焼けの写真を撮るというのは、かくもアトを引く行為なのだ。
しかし、これが、日本だからまだいい。
もっと緯度の高い国に行くと、とんでもなく大変な事になる。
例えば、北欧、フィンランドなんかだと、
夕焼けが始まって、パシャパシャ始め、
あ~もう終わりだな・・と諦めがつくまで、
1時間以上かかる。
なんたって、太陽が極端に斜めに沈むのでね。
1時間ものパシャは、流石に、チップが足りないよ。
秋の日のツルベ落しなんて事を、日本では云うけど、
北欧では、モタツイテ落ちる。
先日のイギリスはスコットランドでも、そうだった。
延々夕陽ばかりの、イギリス滞在写真になってしまった。
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<世界の車窓から 20周年スペシャル>
12月16日 午後3;30~5;00 テレビ朝日系列
で放送される。ただし、これは首都圏。地方によっては、
日にちも時間も違うのであしからず。(ワークス参照)
この放送の中で、第一回目の車窓が流れたりする。
さらに、20年前のイシマルの北欧の旅の映像が流れたりする。
それなりに、恥ずかしい。