
20年前に、フィンランドに行った。
フィンランドという国に入って、最初に食べた食事が、なんと!
トナカイであった。
フィンランドと言えば、サンタクロースの発祥として有名だ。
そのソリを曳くトナカイを、あろう事か、食べちゃったのである。
いの一番に食べちゃったのである。
レストランに入って、ビーフでもなくチキンでもポークでもない
何か分らないモノを注文したら、それは出てきた。
ヘルシーなお肉だった。
あとで、聞いたら、トナカイだと言う。
フィンランドの人達は普通に食べ、
放牧して育てられているらしい。
そう云えば、オーストラリアではカンガルーを
放牧して、食べるらしいが、
ま、それはそれでいいだろう。
ここは、さらっと流そう。
しかし、トナカイは子供たちの夢である。
何たって、私は、
♪~<
赤い鼻のトナカイさん>~♪
で育った。
クリスマスの歌は、赤い鼻のトナカイさん一辺倒である。
<清しこの夜> の厳かさを離れ、
<ホワイトクリスマス> のムーディーさを忘れ、
ひたすら、お馬鹿ちゃんのトナカイの歌である。
「おまえさんは、お馬鹿ちゃんだけど、
ただ
一点だけ良い所があるよ」
とサンタのおじさんが言ってくれるのが、嬉しかったのだ。
しかも、本人が一番気にしている、
赤い鼻を褒められたのが、
いたく嬉しかったのだ。
そのトナカイを、サンタの本場に行った途端、
食べてしまったのだ。
「・・私には、もう二度とサンタさんは来てくれないだろうな」
がっくりうな垂れながら、フィンランドを離れるまでの
数日間に、3度、注文してしまった。
2度目は、確認の為。
3度目は・・美味しかったんだモン。