
新幹線の中で、アイスクリームを頼んだ事のある人!
ハイ、手を挙げて。
そんで、あまりの硬さに、ナンだコレは!と声を出した人!
ハイ、手を挙げて。
両方に手を挙げたイシマルくんの調べでは、
世の中にある、冷凍モノの中で一番硬い。
<堅い>のではなく、<硬い>
「はいお釣りで御座います」
お釣りと、アイスクリームを受け取る。
セルロイドのスプーンも付いている。
(
セルロイドでよかったかな?古いかな?)
お釣りを仕舞うのも、もどかしく、フタをとる。
スプーンを取り出し、突き刺す。
(あっ、スプーンは
プラスチックだ。今気付いた)
コチンっ
スプーンが
刺さらない。
全く刺さらない。
1ミリも、めり込まない。
ゴシゴシこすってみるが、カケラもとれない。
なんじゃこりゃ・・
コンビニなどで売られているアイスは冷凍庫に仕舞われており
マイナス10度台をキープしているものと思われる。
しかし、新幹線の車内で売られているアイスは、
持ち歩いている為、ドライアイスで冷やしていると思われる。
ドライアイスと言えば、マイナス何十度だろう?
コチンコチンさに掛けて、ひとかどでない、生真面目な奴だ。
心底冷やしてくれる。
すると
どうなる。
こうなったのが、今目の前にあるアイスだ。
先ほどから、じっと見つめている。
1分待って、スプーンを突き刺してみたが、
プラスチックが折れそうなので、止めた。
3分待った。
三度目を試みる。
一度目には、
大理石にシャベルを突き刺そうとしていた感覚だったのだが、
やや、ほんの少しだが、傷を付けられる様になってきた。
しかし、まだ、食べるという状態から程遠い。
ああ、もう待てない、ナントカしよう。
ってんで、体温暖め方式を採用する。
手のひらで包み、周囲を暖める。
しかし、余りの冷たさに手のひらが悲鳴をあげる。
あちこち押し付ける。
ホホや額に押し付ける。
よし、もういいだろう。
スプーンを外周に差し込もうとする。
ん~中々入らない。
グイッグイッ・・
おお僅かだが、差し込む事が出来た。
その僅かなホコロビをキッカケに、
切り崩して行くしかないだろう。
そうして、その雫のようなアイスの溶けた部分をナメ、
ナメ、ナメ続け。
もうすでに、15分が過ぎようとしている。
なのに、まだ、単に味を確かめた程度しか進めていない。
この調子だと、完食まで、30分以上掛かるに違いない。
ハイ、も一度聞きますよ~
新幹線で、アイスを頼んだのはいいけれど、
まだ、半分も食べていないのに、
目的の駅に着いてしまった人!
もひとつ聞きますよ~
新幹線のアイスを頼んで、すぐにフタをとり、
凍った本体を、舌でペロっと舐めたら、
舌にアイスがくっ付いて取れなくなった人!
舌にブランブランさせて、遊んだ人!