夜光貝
<為藤(ためとう)さん>
一昨日、お話した、為藤カップの主賓である。
どうも、この方が気になる。
年の頃は、60才を超えたあたり。
バリバリ現役のウインドサーファーである。
見た目は、どこからどう見ても、
漁師である。
彫りの深い、非常に味わい深いお顔をしている。
「いえ、私は美容師です」
と言われても、信じたくない。
「いえ、私は、弁護士です」
と言われても、余計信じたくない。
そもそも、<ためとう>などと云う、
絶滅危惧種的な名前を、冠している希少な方である。
さあ、その為藤さん。
何かに没頭すると、
徹底的にはまり込む性格を有していた。
困った事に、その為藤さんの前に、こいつが、置かれた。
<夜光貝>(やこうがい)
沖縄などの、南の島のお土産ショップに行くと、
この夜光貝が、ピカピカにミガカレて、
ショーウインドーで売られている。
どうぞミガイテ下さいと、為藤さんにプレゼントされた。
途端!
為藤さんの
目が光り出した。
今思えば、あの瞬間に、<ハマッタ>のである。
さっそく、
徹底的にはまり込む性格が発揮された。
磨きにかける道具を買い込んだ。
ルーターという、普段の生活では、凡そに立たない、
ガリガリ磨く道具も買い込んだ。
様々な道具と薬品を買い込み、日夜、磨きに命を掛けたのである。
そんで、どうなったか?
数ヶ月後、執念の磨きに掛けた<指>が、悲鳴を挙げ、
病院送りになったのである。
診断の結果・・
<腱鞘炎(けんしょうえん)>
力を入れていた親指が、曲がらなくなってしまったんだソナ。
さあ、皆さん、このお話を、
お馬鹿・・と呼ぶか?
素晴らしか・・呼ぶか?
まあ、終わりの写真を見て判断して下さい。
私のピクチュアの中の、大好きな一枚です。