
船の旅は面白い。
出港の折、飛行機の様に、
あっけなくないのもいい。
昔は、彩り紙テープが、船と岩壁の見送り人を結び、
ブオ~という汽笛と共に、
涙を波頭に消していったものだ。
例えば、この船、排水量6500トンの、
2等船室。
船旅は2等船室に限る。
100畳ほどの部屋に、見も知らぬ人達と雑魚寝である。
混んでいる季節は、一人70cm×2mしかない。
但し、空いている時は、少人数で大部屋を占拠できる。
皆が、ゴロゴロと寝転がっている様は、
<難民>を連想してしまう。
ところで、ここは、
2等船室だが、
その上の階級の部屋は、<
特2等>だ。
一度、その部屋に入った事がある。
8人ほどの、小部屋だった。
さらに、上には、<
1等>がある。
当然、お値段は高くなる。
そこも、一度だけ、チャレンジした事がある。
確か、4人部屋だった。
人数が減った分、
部屋が狭くなっただけの仕様だった。
損した気分になった。
1等で終わりかと思ったら、その上に、
<
特1等> なるものがあった。
どうも、船に於ける、階級の名前付けが、
その場シノギの感を受ける。
さすがに、そこに、足を踏み入れた経験がない。
まずもって、船上の階数が違う。
我々より、大分上の方に、住まわれておられるらしい。
ところが、ところが、上には上があるもんで、
あった、あった!
<
特等>
しかし、<特>という漢字を、今まで連発されていたので、
あんまり有難みがない。
ほんとに、一番偉い部屋なの?
っと疑ってしまう。
最初にクイズとして、<特等>と<特1等>のどちらが上か?
と問われたら、迷ってしまうだろう。
そう云えば、まだ紙テープでサヨナラをしていた時代、
確か、私の記憶に間違いがなければ、
<
3等>があった様な気がする。
気がするが・・<
特3等>は無かった気がする・・・
あったとしても、その差は、どんななの?