
「あ~暇だなあ~、今日どうしようかなあ~」
休みの日の標準的な感想だろうと思う。
ふむ・・・私も思ってしまった。
思ってしまった私は、ピコーーンと飛び起きた。
「よし!自転車で走ろう!」
ふむ・・・そこまでは良いだろう・・
ところが、私の場合、スグに考え方がエキセントリックになる。
「
どこまで行けるかな?」
ちょっとそこまで~
と漕ぎ出したチャリンコなのに、トドマル事を知らない。
隣の町を過ぎても、漕ぐ事をやめない。
隣の隣の隣の町あたりまで漕ぎ続けているのに、
まだ帰ろうとしない。
むしろ、考え方として、
(
よおし、こうなったら!)
という危険な考え方が芽生えてくる。
何が、
<よおし、こうなったら!>・・かうまく説明出来ないのだが、
<よおし!>の気持ちが強過ぎるのである。
もはや、バック出来ない。
もはや、前進あるのみ!
<もはや>を使っている考え自体が意味不明だ。
長い長い時間が経った。
私は遥か彼方の、違う町に辿り着いていた。
その時、ふと思った。
ひょっとして、私は今、ちまたで問題になっている
アレをやっているのではないのか?
<徘徊(
はいかい)>
「いえ、私は徘徊していません」
と否定する説得材料が少ない。
あるとすれば、自転車の走行距離だ。
80キロ。
そして、
徘徊をしていない証明をする為に、再び
走って帰ったのだ、わが町まで・・
80キロ。