「もしもし、イシマルで~す」
行きつけのスポーツショップに電話をしている。
『あ~イシマルさん、どもども』
A青年が電話の向こうで応対している(と思っていた)。
彼とは、10数年の付き合いの仲間だ。
用件は、数年前にその店で行なわれたイベントについて
尋ねたい事があったのだ。
「そうかぁ、覚えてないかぁ・・」
『えぇ、思い出せないですねえ』
「じゃあさ、その時、お店に店員が
もう一人いたんだよね。」
『誰ですか?』
「え~と名前が・・?え~となんだっけ?」
『?』
「あいつ何て名前だっけ?」
『誰すか?』
「ほら、ボケ~としたヤツで、あんまり仕事が出来なくってさ、
そのくせ、飯だけは、ガバガバ食ってさ」
『はあ』
「いたじゃないかぁ、いつもお客さんに怒られてた・・
ほらアイツだよ」
『誰だろう?』
「んで、一回辞めて、又戻ってきたアイツ・・・」
『はあ』
「あっ!思い出した思い出した!」
『誰すか?』
「
村田だよ、
村田!アイツに聞いたら分らないかなあ?」
『・・・・』
「どした?」
『・・・え~と、ぼく・・
村田なんすけど・・』
「
えっええええぇぇぇ・・・!!」
やっちまった。
A君だとばかり思っていた。
疑いもしなかった。
お店の人って、どうして喋り方が似てくるの?
それにしても、村田くん、随分しっかりしたなぁ。
ごべんね、村田くん。(村田は仮名)