
<へいふり坂>長崎
<♪~かでんに、くつをいれず~♪>
あなたが、小学校の3年位の時、
こんな音符を流されたらワケわかんないよね。
頭ごなしに、こんなメロディをにタレタのは、
私の父親だ。
父親は厳格だった。
人の道に外れる行為が嫌いだった。
人の道に外れる行為が許せなかった。
それが昂じて、人の道に外れた・・と
疑われる事すら嫌った。
疑われる=
犯罪者・・という考えの持ち主だった。
「いついかなる時でも、
疑われる事のない行動をせよ!」
これが、父親の指針だった。
念仏の如く、このコトワザを、私に説いた。
そこで、上記のコトワザを漢字表記しよう。
<
瓜田(かでん)
に沓(くつ)
を入れず>
瓜、すなわちスイカやメロンの畑の中で、
俯いて、沓(靴)を履きなおしてはいけないよ・・
人が見ていたら、まるで、
メロンを盗んでいるみたいじゃないか。
おおもとは、中国のコトワザである。
それを、父親は、その口で、私に喋った。
文字では教えてくれなかった。
一応、意味は解った(つもりだった)。
しかし、肝腎の、個々の単語は理解出来なかった。
小学3年生の私の脳みそは、こう捉えていたのである。
<
桑田に靴を入れるべからず>
桑の畑に、足を踏み入れてはいけないヨ。
桑は、カイコが食べる葉なのだから、
おまえが食べてはいけない。
それとも何かい?おまえは、カイコの様に、這いつくばって
食べるのかい?
靴をフトコロに
入れて・・
《桑の畑で、靴をフトコロに入れて、
這いつくばってはいけない》
当時、小学3年生のボンクラであった。

いっかくの角