
肉を焼いている。
フライパンに、牛肉を乗っけて、ハシでツツイテいる。
激しく焼いてやろうと、ハシの先で、フライパンに
ギュゥゥっと、押し付けた。
その時だ!
クゥゥゥウゥ~
ハシを伝わって、肉が鳴く様な、振動が伝わってくる。
あの振動って、なんだろう?
試しに、フライ返しで肉の全体を押し付ける。
ギュゥゥゥウゥ~
今度は大きく鳴き出した。
試しに、ハシ一本を鉛筆のように持ち、肉を押し付ける。
クゥゥゥゥ~
おおこの振動だ!
この振動は何かに似ている。
以前にやった
何かだ・・なんだろう?
細かく指先に伝わってくる確かな、重厚な響き。
ナンだろう?ナンだろう?
細いハシの様な物を、真下に向かって持っている状態・・
っと、ひらめいた・・思い出した!
<線香花火> だ!
線香花火が燃え盛り、やがて丸い火球状態になる。
その火球に繋がったヒゴを、親指と人差し指で摘まんでいると、
クゥゥゥゥ~ っという、振動が伝わって来る。
まもなく、あの溶鉱炉のような火球から、パチパチと
火花が飛び散り始める筈だ。
火球「もう我慢出来ません!火花オッパジメテもよかですか?」
ジリジリと焦れる火球の叫びが聞こえそうだ。
その焦れさ加減そのものの振動が伝わる。
クゥゥゥゥ~アノ振動に似た感触は、他では、
肉を焼く時の、コノ感触以外に知らない。
ふむ、すると何かい?
非常に熱い物に直に触れると、アノ振動が伝わってくるのかな?
きっとそうなんだろうな・・
っとフライパンを眺めながら思ってしまった。
試したくないが。
ふむ、考えようによっちゃ、
あのジリジリとくる熱さの振動は、
引力というハシを太陽に突き刺して、
<巨大な線香花火>をしているようなモンかな・・