
<友、遠方より来たるあり、又楽しからずや>
遠方、すなわち遠くから、友人が訪ねて来ると、嬉しい。
その楽しさを連れてきたのは、例の、為藤(ためとう)さんだ。
例の、と云ったのは、
今年、何度もこのコーナーに登場しているウインドサーファーだ。
で、何しに来たかって?

毎年、私が主催しているウインドサーフィンのレース
<ザ・マスターズ>
に参加する為、はるばる広島県から、車を飛ばして来たのだ。
ザ・マスターズ と云うからには、お年を召された方が
出場される。
40才以上にならないと、出場出来ない。
第4回目の今年は、最高齢72才を筆頭に、
平均年齢48才の、自称若者が集まった。
二日間、暴れて遊んで、呑んで喰って、ボロボロになってやろう!
と意気込む、遊びの達人たちが、全国から、集まったのである。
ウインドサーフィンとは、風が無ければ始まらない。
その風が、今年もガンガン吹いた。
二日間、風速10~15m吹き続けた。
17m以上が、台風だから、その威力は想像できよう。
これほど強風が吹き荒れると、通常、レースの数は少なくなる。
余りにも疲れるので、休憩を多く取らなければならない為だ。
ところが、しかし、主催者の性格が問題だった。
サスケだのスポーツNO1だのに、出場しているお馬鹿な
イシマルが主催者だった。
ガンガンバリバリのイシマルだった。
休憩などと云う、考えを持ち合わせていなかった。
結果から述べると、二日間で、
6レース!をクリアした。
ウインドサーフィンを知らない方に申し上げると、
ウインドサーフィンのプロのレースでも
一日に、
2レースぐらいしか消化しない。
それほどに、風が強い日には、過酷なのである。
なのに、だのに、40才以上のレースで、
一日に3レース、二日間で6レースも敢行してしまった。
選手は朝、7時には、浜に集まり、日が沈むまで、
闘っているのである。
その体力やいかに!
平均年齢48才の体力やいかに!
その気力やいかに!
おまけに、初日の夜は、パーティまであるのだ。
さんざん飲んで喰って大騒ぎをするのだ。
ボロボロに輪を掛けて、ベロンベロンのおじさんが
大量に出現するのだ。
だのに、なのに、翌日には、風速10mを超える風の中に、
元気良く飛び出して行くのだ。
その戦いに、為藤さん<61才>が
遠方より来るありしたのである。
しかも、本格的なレースは、初めての経験である。
神奈川県の三浦半島、
未だ水温は低く、ブルブル震えながら、足をツリながらも・・
最終的に、全レースを完走した!のである。
その為藤さんが、ゆっくりの広島弁で、仰る。
「ワシ、一番年上かぁ、思たら、
四ン番目ぇじゃったんじゃねぇ~
どぉこでも、上にゃァ、上がおるちゅうコッチャねぇ」