
水深37メートル
「サザエはよぉ、ワシら○○で採るだよ」
え~~~?びっくりである。
先日、飲み屋でちびちびやっていると、
隣にいた顔が真っ黒に日焼けしたおっちゃんがのたまった。
「アミで採るだよ」
慌てて聞き返した。
『アミって、魚を採るあの網ですか?』
「んだな」
サザエは潜って採るか、それとも、小船の上から、
ガラスの付いた箱で覗き、
長~い棒で引っ掛けて採るものだと思い込んでいた。
アレはアレで、大変な漁だなぁと感心していた。
ところが、真っ黒おっちゃんは、アミだと言う。
え~と、どういう事だろう?
アミをどうしたら、サザエが採れるというのだろう?
僕らが知っているサザエの居場所は、岩礁地帯である。
ゴツゴツした岩場が続き、その奥の奥にサザエは隠れている。
潜っていっても、簡単に見つかるわけではない。
だいいち、あんな所にアミを降ろしても、
引っ張りようがない。
おっちゃん、教せーて!
「夜、アミを仕掛けておくだよ。夜はな、
サザエは歩くでな」
『歩くんですか?』
「ゆっくりだけんど、散歩するでな」
らしい。
よって、岩礁地帯に、アミをだらりとぶら下げて置けば、
引っ掛かるらしい。
『アミは岩に引っ掛からないんですか?』
「しょっちゅう引っ掛かって、ズタズタだわな、あはは」
真っ黒いおっちゃん、見も知らぬ私に、
色々企業秘密を教えて頂いてありがとさんでござんす。
サザエも、ぼんやりしていられない時代になったようだ。
そのうち、
引き篭もりサザエが現れても、おかしくない。