
<小説を眠る前に、読み終えてはならない>
文庫本を常に、カバンの中に入れている。
殆どが、小説だ。
推理小説もあれば、SF、冒険モノ、純文学まで様々。
一年に100冊ちょっとのペースである。
では、3日に一冊かと云われると、そうでない。
読まない時は、一ヶ月でも本を手にしない。
ところが、一端、読み出すと止まらない。
一日に一冊以上のペースになる。
エレベーターが一階から、5階まで上がる間に、
ページを繰っていたりする。
信号待ちに、文庫本を取り出そうとまでしている。
「ああ、面白かったぁ~」
小説を読み終え、パタンと裏表紙を閉じた、その手で、
横に置いてある次の小説を取上げている。
感慨に耽るという事をしない。
もったいない話しだ。
小説は、全体の半分を過ぎた頃から、加速がつく。
前半が、例えば、1ページ30秒で読んでいたとしよう。
後半に入ると、25秒を切っている様な気がする。
そして、最後のエンディングに近づくと、
20秒を遥かに切ったスピードで、ページがめくられてゆく。
・・ような気がする。
ような気がするのか、ホントにそうなのか、今度調べてみよう。
ホントにそうだった場合、
その理由を検証する必要がありそうだ。
イシマル学会に発表しよう。
そこで、冒頭のセリフだ。
<小説を眠る前に、読み終えてはならない>
とは、どういう事か?
あと少しで読み終える推理小説を、
今、布団の中で読んでいるとしよう。
これを、
最後まで読まずに、パタンと閉じて横になった場合と、
最後まで読みきった場合とでは、
果たして、すぐに眠りにつけるのはどちらでしょう?
結論を云いましょう。
眠れるのは、
読み残した場合だ。
最後まで読みきったあなたは・・眠れなくなるのだ。
「ええ~読みきった方が、満足して眠れるんじゃないの?」
っと、普通思うよね。
ところがところが、なぜか、読みきると、お目目パッチリ、
頭の中は、最後に判明した犯人の事でいっぱいなのだ。
小説という名の、架空の人生が、湧き戻ってくるのだ。
ああ、お目目パッチリ・・
ですから、あなたが健やかな睡眠を望むなら、
小説は、あと少しだけ、読み残して枕に倒れましょう。
イシマル学会小説課からのお知らせでした。