
~昨日の続き~
上は、中津江村の奇祭に行った折の写真だ。
何をしているか?
見ての通り、車を押している。
中には、70代と思われるご夫婦が、ボーっとなさっておられる。
どうやら、祭り見物に来たものの、
あまりの道の険しさに、
思わず道路の側溝に脱輪してしまったらしい。
ブーブーとエンジンばかりがうなり、
溝からタイヤが出る気配がない。
「おお~いみんなぁ~集まれぇ~!」
大声を出さなくても、祭りだ、すでに大勢集まっている。
それが又、六尺ふんどし一丁の野郎ばかりだ。
「お父さん、車、
いごかさないでね!」
(大分弁で、
動く は
いごく と言う)
窓越しに声を掛けるが、動揺していてアクセルを吹かしている。
「駄目だって、吹かしたら、タイヤが道に出た時、
急に走り出してあぶないでしょ。だから、
いごかさないで!」
裸の男たちが、ワッショイっと群がる。
ブブ~~ン
「お父さん、だから、
いごくなっての!」
ブブブ~~ン
「
いごくな!ワッショイ!」
ブブブブ~~~ン
「
いごくな!ワッショイ!」
よおぉいしょ!
ってんで、車は無事、溝から助け上げられた。
おとうさんも最後の最後には、ブブ~ンを止めてくれた。
すなわち、
いごかないでくれた。
良かった良かった。
っとその時、
その車のナンバープレートが目に止まった。
<
1597>
いごくな