
「そりゃあ、あんた、置いてた場所が悪いやろ」
夜、眠気が襲い、頭がボーっとして台所に立つ。
洗面所に行けばよかったのだが、
何故か歯ブラシが台所にあったのだ。
手近にあった歯磨きチューブを手に取り、キャップを外す。
ブチュッっと歯ブラシに練り歯磨きを出す。
ヒョイっと口に放り込む。
クチュクチュクチュ
ん?
あれれ?
うぎゃああああ~~~~!
辛~~~~~い!

ねえねえ、なんでこんなに似ているモノがあるワケ?
《歯磨きとワサビチューブ》
このどっちも使い勝手がよくて、私のお気に入りである。
パッと手に取ると、一瞬どっちだかワカラナイ。
ワカラナイと断言も出来ないが、歯磨きだと信じて手に取れば、
それは歯磨きに決まっている。
寝ぼけマナコで、手づかみにするには、感触や色が近すぎる。
中身も緑色だ。
「だからぁ、そりゃ、置いてた場所が悪いやろ」
そうです、その通りです。
ふんでもなぁ、辛かったなぁ~
ン待てよ!
私は、運が良かったのかもしれない。
これが、逆になっていたら、どうだっただろう?
「いただきま~す」
カツオの刺身が皿にのっている。
小皿に醤油をたらし、チューブからブチュッと出し、
それに浸したカツオをパクっ!
ああ~これ以上想像したくない。