~昨日の続き~
腹がはちきれんばかり・・とはよく言ったもので、
北京の街中をフラフラしながら、腹十二分になってしまった。
そんな時に、その店は現れたのだ。
<山西 刀削麺> (とうしょうめん)
このコーナーに造詣の深い方なら、私が、どれほど、
刀削麺にゾッコンなのかご理解頂けていると思う。
その刀削麺の本場でその店を、見つけたのだ。
しかも、
山西省正宗などと、書いてある。
正宗っちゃなんね?
まるで、
刀の名前みたいじゃんかね。
刀と名の付く麺の、王道みたいじゃんかね。
さて、この店の前で、しばし私は佇んだ。
腰に両手を当てて、天を仰いでいた。
え~と、今日初めてこのコーナーをご覧の方には
分からないでしょうが、一昨日から観覧されている方には、
分かる話です。
早い話が・・
腹がいっぱいなのだ。
この時点で、腹を揺すりながら、歩いてきたのだ。
ゲップとか云うレベルではなく、
はあ~ふ~は~ふ~の状態と云えば、ご理解頂けるだろうか。
そんな時に、現れたのが、私が恋してやまない、
刀削麺だったのだ。
運命の神とは、これほどのイタズラをするのだろうか?
《刀削麺を食べるだけの為に、中国に行きたい》
とまで願っていた私に対する仕打ちが、この遭遇であった。
はあ~ふ~の私の前で、おじさんが、
シュッシュッっと麺を削っていた。
ポチャンポチャンと鍋に麺が、飛び込んでいた。
グツグツと麺は茹だり、どんぶりに注がれてゆく。
「あんちゃん、喰ってきな!」
そう言われたに違いない中国語に
返事を返した私の手の中には、すでに熱々のドンブリがあった。
はあ~ふ~ふ~ふ~
ああ~うまい~
この4時間後、北京ダックのフルコースを食べるはめになるとは、
もちろん、知る由もなかった・・