国際空港ってぇ所の<迎え>は、必須である。
突然、外国に降り立った不安は計り知れない。
そこで、現地の方、もしくはコーディネータの
お迎えと相成る。
先日の北京空港にも、向かえが来ているハズだった。
何やかやの手続きを終え、ゲートをくぐる。
中国そのものに足を踏み出す。
さて向かえは・・
っと中国への期待が膨らみ、歩を進める私の見たものは・・
何百人もの向かえの人達、人々。
その一人々々が、それぞれ紙に名前を書いて胸の所に
両手で支えている。
山田だの佐藤だのと書いてある。
ハングル文字もある。
アルファベットも並んでいる。
中には、アラビヤ文字も見受けられる。
しかし、最も多いのが漢字だ。
田中さんが探されている。
木村さんが、呼ばれている。
小林さんは、一家で捜索中だ。
この
何百とある記名カードの中から、
<石丸>を探さなくてはならない。
あちゃらも、流れてくる客の中から、
その顔を見つけなければならないので大変だろうが、
こっちはもっと難儀な問題である。
<石川>さんではないな・・
<吉丸>さんでもないし・・
ああ紛らわしい・・
え~と、あそこで、カードが見え難くなっている
アノ人のカードには何と書いてある?
<石>の文字が見え隠れしているんだけど・・
アレっ、今、私の名前を呼ばなかったか?
辺りをキョロキョロする。
おっ、確かに呼んでいる!
はい、ココです。
っと言っても、相手がどこにいるのか解らない。
キョロキョロ、目線がうろつく。
っと、私の後ろの方から、男性が歩み寄り、
迎えの人に近づいて行った。
「吉村です」
『ああ、ヨシムラさん?』
ヨシムラをイシマルと聞き違えてしまった。
耳で聞けば、良く似ている。
「西村さん!」
(ああ、今度はニシムラさんが探されている)
「ニシムラさん!」
(西村さん返事をしなよ)
「ニシムラさん!」
あれっ、知っているスタッフが、私に手を振っている。
「ニシムラさん!」
人波を掻き分け近づく。
「イシムラさん!」
やっと辿り着く。
「イシマルさん」
海外での待ち合わせは、心しておきましょう。
鈴木さんのカードなんか、いっぱいあるかんね。
なぜか らくだ