
<冷たいソバ・温かいソバ>
と、お品書きに書いてある。
ふんじゃま、冷たいソバを下さいな。
九州の、ある火山の傍らに佇む、蕎麦屋にいた。
「ざるソバじゃないですけど、よろしいですか?」
『ええ、まあ・・』
店員のおばちゃんの質問に何気なく応えた私であった。
ザルじゃない、
冷たいソバといえば、
ソバを丼に入れ、タレ汁をぶっ掛けてある奴だよな。
他に、思いつかないよな。
ついでに、山菜かなんか入れて貰おうかな・・と
考えていた所へ、そいつは登場した。

コレは何だろう?
丼の中に透明の汁が入り、ソバが沈んでいる。
透明の水を舐めてみた。
ふむ・・・
ただの水だ。
氷が浮かんでいる。
胡瓜が浮かべてある。
ソバを水に放り込み、すすってタレ汁で食べるらしい。
コレって、ソバの
ソーメンバージョンだよな。
美味しいのだろうか?
ズルズルズル・・
ん・・水っぽいな。
ズルズルズル・・
タレが薄くなるので、どんどん水っぽくなるな。
コレって、人気があるのだろうか?
この地域は、水が豊富に湧き出し、名水が売りだそうだ。
うむ、それは解る。
確かに水は旨い。
それは認める。
しかし、その
旨い水の使い方は、コレでいいのだろうか?
近くに中華屋があったが、<水餃子>は大丈夫だろうか?