↑ あるドラマの現場の、履物置場で撮った写真だ。
ドラマでは、小道具さんが、役者の靴を、
一か所に並べて置いてくれる。
自分の役名を見れば、それが分る仕組みになっている。
ちなみに、その日の私の靴は左端のヤツだ。
私は、標準サイズの25,5である。
でだ・・
その隣の革靴は、誰のだろう?
言いたかないけど、随分
デカイな。
ちょっとデカイというレベルではないな。
当然、この革の中に、身が詰まっているんだよな。
この大きさの足でないと、支えられない、
身体の持ち主って訳だな。
ふむ・・・
今日来ている役者に、そんな身体の持ち主がいたっけ?
ちっちゃい人はいたけど、おっきい人は居なかったよな。
ふむ・・
っと、その時、
『おはようございま~す』
頭を屈めて、ドアをくぐったヤツがいる。
ああ、宇梶だ。
宇梶剛士(うかじたかし)だ。
なるほどなるほど・・
彼は、大地をいっぱい踏みつけて歩いているのだな。
生涯の接地面積が広大だな。
踏まれるアリの量も、私より多いな。
<かがむ>という言葉に、
我々以上に、敏感になっているだろな。
<見上げる>しぐさが、我々より少ないので、
目の上の筋肉が発達していないだろうな。
頭部を仔細に探せば、
鴨居にぶつけた傷が随所に見つかるハズだ。
ドラマのロケの時、たくさん役者が出演している折、
カメラから見たポジションを探す事がある。
そんな時、宇梶がいると楽だ。
彼を起点に位置を見つければいい。
だから、私は彼の事をこう呼んでいる。
ランドマークならぬ、
<アクターマーク>