
<神社>
都会を離れ、田舎の小道をたらたら走る。
すると、こじんまりした森に囲まれた神社が現れる。
ささやかな参道に導かれ、
小さな鳥居をくぐり、
昼なお暗き、静寂の世界に包まれる。
振り返ると、それなりの御神木に巻かれたしめ縄が、
古めかしい。
鬱蒼という言葉が相応しい神殿の屋根には、流れ草がサワサワ~
日本中どこに行っても、神社と名が付けば、
この描写から外れる神社にお目に掛かった
試しが無かった。
なかった・・と思い込んでいたのだが、
先日、ヨロン島の高台で、
試しが有った。
<高千穂神社>
という名前で呼ばれるこの神社。
この写真を撮った場所に立った時、
(何かが違う)
何が違うのだろう?
答えはすぐに解かった。
<神社の向こうが抜けている>
森が無い。
透けている・・
神殿の向こうは、青々をした空であり、蒼々とした海である。
『我々は、何も隠していませんヨ』
と、神様達が、宣言している様に思える。
ガランガランと鳴らしている鈴の音も、
遥か蒼穹の彼方に、届かそうとしているかの様だ。
そうだったか、
異世界、異空間の信仰がココにある!
っと、足元の賽銭箱に目をやり、ポケットの小銭を探す。
ん・・?
小銭が無い。
え~と、お札を入れる勇気はないよな・・
え~とぉ、どうしようかなあ・・?
ニコっ!
笑顔だけ置いてきた。