<庭の滝に打たれる高校生のけんじろう君>
「
100点だあ~~!」
100点のマークが付いた解答用紙を持って、私は走った!
遡る事ずいぶん昔、私が、詰襟の高校生だった頃、
ある日、
数学のテストの点数が
100点だったのだ。
私にとって、数学とは、<すぐ飽く>との語呂合わせで、
やるきの無さ甚だしいトップ科目であったのだ。
ところが、
通常、50点も取れば良し、とするその数学テストで、
晴天の霹靂(へきれき)!
満点100ポイントゲットである。
喜ぶまい事か!喜ぶまい事か!
先生からウヤウヤシク渡された
100点満点テスト用紙を、
頭上高々振りかざし、廊下に飛び出した!
当時、私の高校は一学年、12クラスあった。
その長い廊下を脱兎の如く駆け抜けた。
100点満点のテスト用紙を振りかざしながら・・
大声で叫びながら・・
「おお~~~い、みんな見ろおお~!」
ガラガラガラ~廊下側の窓が開く。
皆、何が起こったのか・・好奇心満載の顔がのぞく。
「どうだ、見たかあああ!」
ふむ・・みんな見た。
私のテスト用紙を見た。
騒いでいる私を、じっくり見た。
そんで、カラカラカラ・・すぐに、窓を閉めた。
窓を閉められ、テスト用紙を胸に抱えた私だけが残った。
その夕方、私は知る。
570人中400人が100点をとっていた事実を・・
ふ~~ん、そうだったんだ・・・・・
その夜、私はグレた。