
ウインドサーフィンのレースでは、
フラッグ(旗)がすべてを表現する。
音が聞こえない程の、広い海面で行なわれるのだから、当然だ。
元々は、ヨットレースからの転用である。
という事は、そのフラッグの意味を理解していないと、
レースでオタオタするはめになる。
オタオタならいいが、
失格を言い渡される事態も生ずる。
例えば、3本の旗が揚がっていたとする。
それを通訳すると、こうなる。
「今、男子のレースだけんね。ほんで、ちょいと問題が発生したもんで、みんな本部船の周りに集まってちょ。前のレースでリコール(フライング)した人がおったんで、
その人のセールナンバーを読み上げるけん、失格じゃけんね。
ヘタクソ」
ヘタクソという旗は無い。
しかし、ヘタクソと云わんばかりに、ハタメイテいる。
ウインドのレースには、
<海上スタート>という、スリルと闘う瞬間がある。
本部船に、
赤いフラッグが揚がった瞬間が
スタートの
6分前の合図なのだ。
選手は、腕に付けたタイマー時計を合わす。
そして、6分後、つまり、タイマーが0になった瞬間に
スタートラインを切るのである。
スタートラインとは、本部船のフラッグの位置と、
海上にあるオレンジのマークとを結んだ架空のラインだ。
そこに、選手は高速で走りこんでいく。
時速40~60キロ出ているので、
一秒の遅れは致命的だ。
一秒で、10~15mも差がついてしまう。
ゆえに、
0秒になる瞬間にスタートラインを切るのが理想なのだ。
選手はそれを狙って、後方から、走りこんでくるのだが、
悲しいかな、ちょっとだけ早過ぎたヤツがいる。
そいつはリコール(フライング)した事になり、失格となる。
がっくりである。
その上、他の選手の邪魔にもなるので、困ったものだ。
だから、旗も
ハタメイテいるのだ・・
「ヘタクソ!」っと・・