

まずは、この2枚の写真を見ていただこう。
坂道が二つ写っている。
1枚目の右上に
藁葺きのお屋敷が見える。
2枚目は、その反対から撮ったモノだ。
5才のけんじろう君は、そのお屋敷に住んでいた。
江戸時代の家老のお屋敷で、大きな門には、
門番のご夫婦が住んでいた。
なぜ、そんなお屋敷に住んでいたかは、
過去ログを参考にしてもらうとして、
私が、気になったのは、門と玄関の間に植えてあるソテツだ。
55年前、
門の外から撮った写真がある。
同じ場所から、
最近撮った写真がある。
その2枚を見比べても、ソテツの大きさがさほど変わらない。
剪定をして、大きくしなかったワケではない。
さして太くもなっていない。
あごに手をやって考える。
50年や60年では、さして変化しない植物もあるらしい。
時間の単位が、グ~ンと長くて、
人間の一生と比べるべきでない植生かもしれない。
植林地がある。
杉やヒノキが植えてある。
これらは、短期間(50~60年)で、
大きくなるから植えられている。
大きくなるのに、100年も300年もかかれば、
植林に適さない。
つまり、杉やヒノキは、
人の一生に付き合ってくれるいい奴なのだ。
だから、ソテツは、人など見てやしない。
もっと単位の長い自然の植物たちと付き合っている。
風や、雨と暮らしている。
ソテツをうらやましいとは思わないが、
偉いやっちゃなあ・・とは思う。
《引越し ②》 2006;8月18日
実は、この引越しシリーズは、10篇ある。お暇ならどうぞ・・