
「おっと思い出した!」
本日は、日本人の身体の動きの検証だ。
何かを思い出した時、我々はいろんな動作をする。
映画で見られる伝統的な動きはコレだ。
《
手の平を、もう片方のコブシの小指側でトンとうつ》
「おっと、忘れちゃいけねえ、はがきを出さなきゃ」
お父さんが、ポストを見て思い出したのである。
~~ ~~ ~~
着物を着ている時は、コレに限る。
《
膝を手の平の先の部分で、ポンと叩く》
「おい、相吉や、横丁の豆腐屋までおつかい頼みますヨ」
大旦那が、丁稚の相吉に、用事を言いつけている。
落語の世界に頻繁にあらわれる。
この場合、二種類の動作がある。
<片手でポン>
コレが、簡単な用事を相吉に言いつける時。
<両手でポン>
コチラは、相吉では頼りないので、番頭さんを呼ぶことになる。
かなりの問題を思い出したようだ。
~~ ~~ ~~
しばらく考えていて、やっと思い出した時はコレだ。
《
額の髪の生え際に、人差し指をあてて、やにはハッと離す》
「わかったわかった!思い出した、トイレに忘れた、携帯」
携帯を失くしたと大騒ぎしていた割には、
なんでもない場所から現れてくる。
思い出して良かったネ。
~~ ~~ ~~
この動きも、思い出した・・といえる。
《
指をパチンとならす》
「おっとぅ思い出したゼ、おめえはお馬鹿のイシマルだネ」
このパチン行為は、海外からの輸入だと思える。
少なくとも江戸時代には無かったと信じている。
あまり品がいいとは思えない。
だから、女性はほとんどやらない。
~~ ~~ ~~
では、女性特有の思い出しは何だろう?
《
両手を胸の前で、軽く合わし、ポンと叩く》
「あら、今日からだったわネェ、よろずやの安売り!」
待ちに待った安売りの日を思い出したのである。
両手を合わすほど、嬉しい。
その証拠に目が輝いている。
ポンと叩く時に、音を立てないのが、女性の特技である。
~~ ~~ ~~
では、とんでもない重大な事柄を思い出した時、人はどうする?
《
片足づづ、ピョンと跳び上がる》
「しまった!今日、昼も公演があったんだ!」
舞台の公演が続く日々、昼間に家でダラダラしていた時、
今日は、マチネ(昼公演)が有ることを思い出したのである。
(イシマルの話ではけっしてない)
この跳び上がり方は、説明が必要だ。
さ、アナタにもやって頂こう。
真っ直ぐに立つ。
その状態から、頭の高さをなるべく変えずに、
片足づつ足をあげる。
一瞬、両足は空中にある。
膝を水平まであげる。
ピョンピョンッ
この動きは、
ふたりで廻している縄跳びの縄が、
跳ぶ人の後ろから、足の下を通るときの動きに似ている。
その縄を片足づつ跳び上がって超える。
人は
思い出して驚くと、こんな風に跳び上がる。
駅のホームでそんな人を見かけたら、たぶん・・
(はは~ん、締切日の間違いを思い出したナ)
「私は、跳び上がった事なんかないヨ」
口をトンがらかせたアナタ・・
今に跳びます。
だから、跳んだときに、驚かないように・・