
私は、セッカチである。
そのセッカチ人間が、欲しいホテルがある。
以前、そのホテルの話をした。
私のセッカチ度は、威力を増している。
以前のセッカチホテルでは、満足できなくなっている。
では、どんなホテルが、お望みなのか、披露しよう。
セッカチ野郎が、ホテルのロビーにたどりつく。
グイィィ~ン、当然のごとく、ガラスのドアが開く。
ここまでは、通常のホテル同様として許す。
(許すと言ったが、許さない場合は後日述べよう)
さあ、ここからだ。
私は、フロントに向かわない。
まっしぐら、エレベーターに歩き出す。
私のポケットには、カードが入っており、
それが、チェックインなど、すべての関わりをやり遂げる。
エレベーターは、私を吸い込むように、扉を開けて待っている。
たとえ、私が全力疾走で走り込んでも、瞬時に開けてくれる。
中に駆け込んだ途端、バスン!
扉は閉まる。
だんだんなどという閉まり方ではない。
指を挟むのは、自己責任と言わんばかりの閉まり方だ。
車内に表記してもらいたい。
【世界一速いスピードを誇るエレベーター】
エレベーターは勝手に動き出す。
ポケットのカードが示す階まで、まっしぐら。
動き出しが興味深い。
だんだんは、当然ない。
このホテルに、だんだんとか、徐々にとか、
次第になどの言葉はない。
もの凄いG(重力が)かかる。
ハジカレルという言葉が適切な上昇のしかた。
思わず
かがみそうになる方は乗らない方がいい。
到着はもっと面白い。
ピョンッ
突然の停止で、身体が浮きあがってしまう。
まさかの宇宙遊泳。
着いたと同時に、目にも留まらない速さで扉はひらく。
すると・・後方から、ド~ンと背中を押される。
(いつまでも乗ってんじゃねぇ!)
壁が、私を押し出すしかけになっている。
その勢いで、廊下にはじき出た私は目的の部屋に進むのだ。
もちろん部屋のドアは、近づく5m手前で自動にあく。
ホテルに入って、ここまで10秒というのが、
私の理想である。
何階でもですか?
何階でも!
出るときはどうするか?
出るときはですね・・・
ダスターシュートを拵えてください!