カテゴリ:スポーツ( 991 )
茅が岳に登ったら
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 「よお~し、日光の男体山にいくゾ~」
早朝から、意気込んでいた。
天気予報をのぞいてみると、栃木県の予報が悪い。
雨かもしれん。
では、山梨の方角に向かおう!

すぐに舵を切りかえる。
今からでも、日帰りで行ける山を探した。
あった。
 
 《茅が岳》かやがたけ 1704m
地図をコピーし、中央高速道路を走る。
韮崎インターで降り、10分。
登山口に着いた。
ん・・?
《深田久弥記念公園》?
深田久弥といえば、
 《日本百名山》の本を出された、
山が好きな人達にとっては、神様的な存在だ。
その文章の細やかさと、登った山に対する愛情は深い。

そういえば、生前暮らしていたのは、この辺りだったハズ。
記念公園には、石碑があり、説明書きがある。
えっ、なになに・・

終焉の地
そういえば、山の中で登っている最中に亡くなったと聞いた。

 頂上まで、あとわずかな山道で、突然脳溢血で倒れた。
 一緒に登っている友人が、
 「この辺りは、イワカガミの花がたくさん咲くそうですヨ」
 と告げると、
 『そうですか』
 と言って、こと切れた。


ラストの山行きが、茅が岳。
頂上にはたどり着けなかったものの、山の中で最後を迎えた。
地図には、その終焉の地が記されている。
向かった。
2時間ほどで、尾根に出た。
その直後、3人の登山者(おじさん)と出あった。

 「どこからですか?」
 『石川県の加賀から来たんだサ、焼岳に登ろうと出かけたら、
  天気が悪いってんで、この山に来たのサ』
 「へぇ~僕らは、男体山をあきらめて」
 『加賀にネ、富士写ケ岳というのがあってやネ、
  深田久弥さんが最初に登った山なんヨ』
 「え~そうなんですか?」
 『わたしら、それ登ってから、この山登りに来たんだサ』
 「ってえことは?」
 『ゼロ座から、最後の座へですネ』

尾根の先に、小さな石碑があった。
 『深田久弥先生終焉の地』
けっして華やかでなく、かといって、ひっそりとでもなく、
静かに尾根道に置かれた石碑。

よし、ゼロ座にも出向いてみようかナ。
富士写ケ岳 ふじしゃがだけ 942m
 「北東から眺めるとやネ、きれいな富士型をしとるデ」
 『北東以外からだと?』
 「え~と、なんや分からん形やネ」
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by ishimaru_ken | 2018-10-17 06:05 | スポーツ
究極の晴れ男 続行中
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 《究極の晴れ男》
いまだ続行中である。
この数年、いくたあまたの雨の日を回避してきた。
ロケと名の付く撮影に日には、私が行くと晴れる。
最初は信じなかった人達も、考え方を改めざるを得なかった。

 「この一週間、雨続きで・・」(沖縄 渡嘉敷島)
そんな場所に私が行くと、晴れる。
飛行機がランディングする時まで、雨が降っている。
タラップを降りると、虹が立ちあがる。
ロケが終わり帰ろうとすると、
ザ~~その後一週間、土砂降り

 「いや~梅雨時に来られてもねぇ~」(三陸)
しかめ面で、鈍い反応の地元の方達。
私が着いたとたん青空が広がる。
傘が要らなくなる。

 「今日は、豪雨予想なので撮影は中止です」(和歌山)
一応7時集合という事で、衣装メークをすませ、私が向かうと、
あれよあれよ・・太陽がカンカンに!

そして、今回。
 「台風が接近しており、3日間90%の雨確率です」
それを聞いた私・・ふふふ
台風だろうがなんだろうが、私が行くのだ。
雨が降る訳がない。
この確信を抱いて胸をはって、現地におりたつ。
雨ガッパを来た暗い顔のスタッフの出迎えを受ける。
 「では参りましょうか」
車で現地に向かう。
なんせ、雨のロケほどのらない仕事はない。
暗い顔もうなづける。

はじめのうち、動いていた車のワイパーが、
やがて間欠の動きになり、ついに動きを止める。
 「アレッ、やみましたヨ、雨?」
皆が首を傾げる。
台風で、豪雨、数百ミリとテレビで脅されていた地域。
 「アララ、お日様が出てきましたヨ」

予定どうり、晴れた。
ただの晴れ男ではない。
《究極の晴れ男》である。
今、私は、いばって胸をはって、ふんぞり返っている。
鼻がピノキオになっている。

ふと・・ピノキオの映画の挿入歌、
ルイ・アームストロングが歌うあの歌が浮かんできた。
《星に願いを》
映画《未知との遭遇》のラストシーンで流れる曲である。
♪~私の空はいつも晴れている!
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by ishimaru_ken | 2018-10-11 05:45 | スポーツ
至仏山登山
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 《至仏山》しぶつさん 2228m
尾瀬に散策に行った方なら、必ず拝む山が、至仏山。
ほとけにいたると書く、拝みたくなる山。
台風と台風の隙間にできたピンポイントの晴れ間に向かった。

尾瀬には、乗り合いバスでしか行けない。
バスの時刻を調べて、戸倉の村まで、車で辿りつくと、
そこには、路線バスのほかに、乗り合いタクシー(ハイエース)が、
ズラリと並んでおり、料金もバスと同じだという。
「人数が集まれば出発します」
制服の方が教えてくれる。
そこはさすが尾瀬、すぐに人数がそろった。

鳩待ち峠まで、30分。
早朝だというのに、秋の尾瀬、紅葉の尾瀬を堪能しよう、
という登山者が、次々に押し掛ける。

さあ、出発!
涼しい。
ピッチがあがる。
真夏の山歩きのダラダラ汗かき登る苦労は、そこにない。
快適快調!
口笛を吹きそうなくらいの、足軽し・・
登るにつれて、紅葉も進んでゆく。
赤やら黄色、ダイダイに黄緑。
見事な色彩のグラデーション。
おっ、遠くに見える草原は、
《尾瀬が原》ではないか。
緑だった原は、薄茶色に染まっている。
草もみじが始まっているようだ。
草もみじとは、草原じたいが、茶色や黄色に紅葉する様を呼ぶ。
尾瀬的な湿地帯で観られる現象。

やがて、小至仏 (こしぶつ)の手前まで来た。
山には、本来の頂上の手前に、
だのだのと名前の付いたピークがよくある。
 仙丈岳における、小仙丈(こせんじょう)、
 剱岳における、前劔(まえけん)。
いずれも、登山者が騙されるピークである。
 「おっ、頂上は近いゾ!」
張り切って登ってみれば、その先に、
本物の頂上が遥か先に聳えている。

そんなピークの事を、
 《だまし頂上》とか
 《ニセピーク》などと呼んだりする。

至仏山の小至仏は、さほどのダマサレタ感はない。
むしろ、本峰に向かう心湧き踊るステップとして、
大きな役目を果たしている。
 「あそこまで行くんだ!」
 「あそこまで行けば、素晴らしい景色が待ってるゾ!」
 「あそこの上で、オニギリを食うんだ!」
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            小至仏
by ishimaru_ken | 2018-10-07 06:04 | スポーツ
落ちる石丸
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 《幅員減少》
 《路肩注意》
 《落石注意》
山の中の道を走っていると、
時折、大盤振る舞いの、注意書きが登場する。
危ない事を全部書いたケンネ的な、看板だ。
往年の映画解説者、淀川長治さんの言葉を借りれば、
 「コワイですねぇ、コワイ、コワイですねぇ~」

ただ走っている場合は、さほどでないが、
対向車が来た時は、びびる。
山側を走っているならまだしも、谷側の車は、
路肩が見えない。
ギリギリが分からない。
助手席に人がいない場合は、寿命が縮まる想いをする。

山道と云えば、登山の場合でも同じケースが起きる。
細い道を歩いている。
向こうからリュックを担いだ登山客がやってきた。
谷側は断崖である。
落ちたら、100mや200m下に軽く消えそうだ。

おっ、彼は立ちどまり、私を行かせてくれるつもりだ。
つもりはいいのだが、
山側の岩に正対し、両手でしがみついている。
するとだネ、当然、膨らんだリュックが背中側に張りだす。
谷側を通ろうとする私のスペースがほとんどない。
 「え~と、あのぅ横を向いて貰えませんかネ」
私が谷側を通るのは認めるとして、
お互いスペースをイーブンにしようという提案だ。
 『いえ、どうぞ、通ってください』
どうやら、固まってしまったらしい。
お尻がムズムズしているのかもしれない。
 「わかりました、でも絶対に動かないでくださいネ」
念を押して、じりじりリュックの外側を動いていった。
・・っと、彼のリュックに、私の身体が軽く触れた。
すると・・・
 『なんですか?』
彼が降り向こうとしたのである。
 「う・ご・か・な・い・で」
右目で、奈落の底を見おろしながら、息の声でしゃべる。
 「じっ・と・し・て」
アノ看板が脳裏に浮かんだ。
 《幅員減少》
 《路肩注意》
あと一つ何だっけ?

そうそう
 《落石注意》だ。
  ちる丸だ・・・
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by ishimaru_ken | 2018-10-01 05:11 | スポーツ
月山は美しい
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 ホレがっさん!
と、月山の麓にやってきた。
そこはスキー場である。
それも夏スキーのためのリフトがある。
早朝の登り始めのため、まだリフトは動いていない。

ひと汗かいたところで、急に眼前がひらけた。
擂り鉢状の谷間に私はいる。
どうやらココが、スキー場となるらしい。
足元は木道。
高山植物保護のため、木道のみを歩いてゆく。
首を270度グルリと廻してみるのだが、
色鮮やかな緑の草原がひろがっている。
はるか遠くに登山客が数人歩いている。
500mほど離れているだろう。
お互いが、みな見えている登山だ。
登るにつれ、樹木の黄色と赤が目立ってきた。
頂上に向かう稜線で、あたり一面の紅葉に囲まれた。

わあ~、おお~
歓声があがっている。
空は、どこまでも蒼く、雲ひとつない。
さして急登のない山道が、月山の特徴かもしれない。
なんと面白く美しい山だろう。
なぜ今まで来なかったのだろう。
なんとなく、オカガミ餅のような形のイメージに騙され、
足がなかなか向かなかった。
しかし、山は来てみなければ分からない。
登ってみなければ分からない。
オカガミ餅なんかどこにもないゾ。

頂上からのミニ縦走の、なんと素晴らしき眺め!
下山後、今登ってきたばかりなのに、
すぐに登りたくなる山も珍しい。
白夜の国だったら、ふたたび登り始めたに違いない。

頂上から見つけた《月山湖》 がっさんこ
気になった。
声に出して読んでみよう。
 「ガッサンコ」
はい、繰り返して、
 「ガッサンコ、ガッサンコ!」

昨日の「カリコマコゲン」といい、
「ガッサンコ」といい、このあたりは宝の山である。
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by ishimaru_ken | 2018-09-28 05:14 | スポーツ
ガッサンじゃないか
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 「おっ、あの山は、なんだ?」
栗駒山の山頂で声をあげた。
南西の方角に、
ひときわくっきりと盛り上がった山があるではないか!

地図を広げる。
 《月山》 がっさん 1984m
そうか、アレが月山なのか!
かねてより登りたかった山だ。

となれば、動きは速い。
栗駒山を駆け下りる。
降りたと思いきや、そこに須川温泉があったのを思い出した。
いくらなんでも、源泉露天風呂を素通りするほどヤボじゃない。
600円。
ジャポンッ
乳色をした露天風呂につかる。
あ~~~~
長~いため息をもらす。
源泉が、ジャボジャボと注がれている。
見たカンでは、毎秒2リットルのお湯が落ちてくる。
その前のお湯の溜まり場には、
毎秒5リットルほどが噴き出している。
露天に注ぎきれないお湯が、外にあふれ捨てられている。
ジャージャー
湯につかっていた客の一人がつぶやいた。
 「源泉タレ流しじゃなあ~」

源泉かけ流しというのは、しばしば聞くが、
タレ流しとはよく言ったものだ。
さほど湯量が多い。
多すぎる。

あ~~~~~
ため息が栗駒山の登山口に漏れる。
ん・・・?
湯あみでくつろいでいる場合じゃない!
すぐに、車を走らせて、山形県の月山に向かわねば!
ここは、秋田県の山の中だ。
まず岩手県の高速道路のインターまで2時間ほど行かねば!
そして、いったん南下して、山形道に入り、
終点まで行けば、月山登山口に近づく。
ソレッ!
湯冷めする暇もなく、心はがっさんへ。
ごめんね、栗駒山。
君の紅葉の美しさは忘れないヨ。
タレ流しも気に入ったヨ。
ほれ、がっさん!
いざ、がっさん!
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   栗駒山の岩場
by ishimaru_ken | 2018-09-27 05:48 | スポーツ
栗駒山に登ろう
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 東北新幹線に乗って、岩手県あたりを北上していると、
車内アナウンスの女性の声が、英語で駅名を教えてくれる。
その中で、以前から気になって仕方がない読み方がある。

 《栗駒高原》 くりこまこうげん

これを英語風に発音すると、
 カリコマ コゲン となる。
このコゲンの語尾は、上に音程があがる。
ぼんやり車内で居眠りしている時に、
この名前が流れてくると、
 「えっ、今なにって言ったの?」
音楽性をともなった名前の響きとなる。

ゆえに、私は、《栗駒高原》が気になっていた。
地図を開いて見てみると、
栗駒山(1620m)が見つかった。
これはもう、登りにいくしかないだろう。
となると、動きは早い。
東北道を走らせ、山の北側にある、
須川(すかわ)登山口にやってきた。
すると、そこには、温泉が噴き出し湯気をあげているではないか!
登山口イコール、温泉という稀有な山登りである。
つまり、下山してきたら、その足でザブンという意味だ。

これは楽しい。
こんな素敵な山登りもないだろう。
ってんで、紅葉の始まった栗駒山への一歩を踏みだす。

ナナカマドはまだ赤くなっていないにも拘わらず、
山は赤く染まり始めている。
この山は、火山である。
アチコチ噴いたなごりが見られる。
噴火口に水が溜まった、昭和湖は白濁しており、
まるで温泉のようだ。
途中、硫化水素が噴き出している谷がある。
「立ちどまるな」という注意看板がある。
それらの噴き出したモノが川となって下り、
滝を造っている。
10mほどの滝なのだが、表面が黄色に変色している。
よく見ると、硫黄が固まっているようだ。
珍しい滝と云えよう。

 そういえば、登山口にあったサービスセンターで、
ヘルメットの貸し出しをしていた。
やはり、火山に登るには、ヘルメットを持参すべきである。

頂上直下は、紅葉まっさかり!
カメラがフィルムの時代だったら、
いったい何本の巻きフィルムを、
持っていかねばならなかった事だろう。
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   頂上直下
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   昭和湖
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   ナナカマド無しでこの赤さ
by ishimaru_ken | 2018-09-26 05:40 | スポーツ
大山登山
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~~昨日の続き~~
 さて、蒜山登山の翌日、
我々は、鳥取県の大山(だいせん)の登山口にいた。
さすがにタメトウさんは、筋肉痛でリタイアしたが、
ヒロリンが参戦してきた。
山登り初挑戦した翌日に、
フクラハギの痛みを乗り越えようとしている。
山登りは戦いではないのだが、
彼女の場合、明らかに戦いに挑んでいるかのようだ。

なんせ、この日も、雨がザカザン降っている。
霧も出て視界は悪い。
 「なにも、こんな日に」
よく言われる言葉が、つい口をつく。
しかし、我らは、出発する。
なんせ、雨風を気にしないウインドサーファー達である。
荒天大好き人間たちだ。
荒れれば荒れるほど、勇気が湧いてくる人種だ。

しゅっぱぁ~つ!
ヒロリン、ねーやん、ヨウコ、イシマル。
昨夜のバーベーキューの体力増強に押され、
颯爽と階段に一歩を進める。
暫くして、ヒロリンが一言。
 「階段なんですネ」
 『うん』
 「いつ登山道に変わるんですかぁ~?」
 『ま、そのうちじゃないかな』
なんせ、私も初めての大山登山。

しかし、その後、一時間しても2時間たっても、
階段は終わらない。
階段と言っても、山にある木で造られた階段。
手前に直径10センチほどの丸太状のものを横にならべ、
平たい部分は、土という形状だ。

コレをやらないと、大勢の登山客で賑わう山は、
山道が崩れてしまう。
やがては、山道崩壊が起きてしまう。
いたしかたない処置であり、
その為、大勢の人たちの手を煩わせている。
ありがたい階段であるのだが、これが続くと、
足腰にくる。
特に、下りが辛い。

 「ボロボロです」
ついにヒロリンのフクラハギが棒になった。
彼女の表現を借りれば、
 「後ろから誰かがヒザを、カックンと押したみたい」
になり、力が入らなくなったのである。
それでも頑張れガンバレと、大山寺の境内まで降りてきた。
そこまで来ると、やっと安心したようである。
それもその筈、
大山寺は、仕事場である。
バスガイドとして何度も足を運ぶ、マイフィールドである。
目をつぶってでも帰れるわが庭とも云える。

 「はい、よく登りました、おめでとう」
初めての登山で、二日間、のべ2000mの高低差。
えっ、明日早朝から、バスガイドが入ってるって?
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by ishimaru_ken | 2018-09-20 05:42 | スポーツ
頂上の鏡うつり
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 この写真は、山頂で撮っている。
山頂とは、最も高い場所のハズ。
なのに、手前に池がある。
水がある。
どういう事?

そこは、岡山県の山、
《中蒜山》 なかひるぜん 1123m

登り始める前から、雨が降っていた。
いや、数日前から、ザカザン降っていた。

本来ならば、山に登る環境ではない。
その証拠に、6時間の山行きで、誰一人出会わなかった。
おまけに風も強かった。
10mを越える北風が吹きすさんでいた。
頂上に着いた。
皆が驚いた。
テッペンなのに、池がある!
池に自分が写っている。
この写真を誰かに見せても、頂上とは信じて貰えまい。
 「ほんとに頂上、行ってきたのぉ~?」
眉をひそめられる。
良かったのか?そんな日に登って!

さあそんな悪天気にもかかわらず、
我らの意気は昂揚している。
 「蒜山(ひるぜん)と言う山の名前はなに?」
この問いに、バスガイドのネーヤンが反応する。

 「諸説ございますが、いにしえに遡りましょうか?
  それとも、簡単な説明で・・?」
時間はたっぷりある。
遡ってもらいましょうかネ。
すると、ネーヤンが声色高く、
バスガイドとしての矜持を知らしめてくれた。
補足は同じくバスガイドの、ヒロリンが拾う。
流れるような口調が山の中に、響いてゆく。
これで、歌でも披露してくれれば、いう事ないのだが、
なんせ、急な坂道に息があがっている。
時には、クサリやロープも現れる。
歌をお願いするのは、無作法かもしれん。

以前、瀬戸内海のしまなみ街道を自転車で渡った時、
やはりネーヤンが、喉を鳴らしてくれた。
渡る島渡る島、すべての観光案内をしてくれたのである。
「こちらはレモンの産地でございまして・・」
「伯方の塩はこの島の・・」
贅沢きわまりない自転車旅行であり、登山である。

 『ねえ、ひるぜんはせんとは読まないのかな?』
 「お隣りの大山(だいせん)などはせんでございますが、
  なぜかコチラは、ぜんと濁って呼ぶのでございます。
  そもそも・・・」
秋の山は長い・・・
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by ishimaru_ken | 2018-09-19 05:31 | スポーツ
蒜山登山
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 「おおい~山に登るゾ~」
私の号令に、友人たちが、集まってきた。
岡山県と鳥取県の県境に登山口。
その山は、
《蒜山》 ひるぜん 1202m

中蒜山から上蒜山まで縦走しようという山行き。
関西在住のウインド仲間がやってきた。
 タメトウさん、
 ねーやん(バスガイド)、
 ヒロリン(バスガイド)。
タメトウさんは、登山が8年ぶり。
ヒロリンに至っては、人生初めてである。
それでも、皆、装備はしっかりしている。
レインウエアは、ゴアテックスを持参してきた。
雨ははじくが、汗は外にだすという優れものである。
その優れものを持ってきた報いなのか、
空から、雨粒がおちてきた。

「さあ、いくぞ!」
登り始めて、すぐにレインウエアを着る。
そのあと、小さな川を渡渉する箇所が出てきた。
小さなと云っても、連日の雨で増水している。
足を濡らさずに渡るには、石だの倒木だので、
橋を架けるしかない。(冒頭写真)
 「うんせ、うんせ!」
大きな石を運び、流木をつなぎ、固定し、
なんとか仮設の橋を架けた。

一つの川を渡ると、又増水した川が現れる。
結果、4本の川を越えた。
その度に、仮設橋を架けた。
登山の始まりとしては、非常に面白い。
面白いものの、初登山のヒロリンはこう考えた。
『山登りとは、こういうものなのか』

高山植物咲き乱れるお花畑を、歌を唄いながら、
闊歩し、遥かな雄大な景色に両手をひろげる。
そんな美しい想像を抱きながら、やってきてみれば、
雨がザカザン降り、びしょ濡れになりながら、
川を渡り、ただひたすらに急登をはいあがる。
雨のセイで小鳥も鳴かず、景色もなく、
その変わり、風の音だけは、ゴウゴウ・・・

頂上に着いたものの、雨風はおさまらず、
お花畑でのお弁当のハズが、避難小屋の薄暗い中で、
モゴモゴとオニギリをほおばる。

そして、問題の下りが始まる。
濡れた山道を下るのは、怖い。
フクラハギがパンパンになる。
ヒザもぐだぐだに疲れる。
タメトウさんとヒロリンのフクラハギとヒザは、
文字通り、いかれちまった。
その日の宿に帰りついた時は、
《階段は登れるが、下れない人》になっていたのである。
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by ishimaru_ken | 2018-09-18 05:18 | スポーツ


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