
生まれて初めてニューヨークに着いた。
17年前のことである。
ケネディ空港に降り立った。
実に晴れがましく、税関など手続きを終え、
出口コンコースに向かう。
( この直前、イギリスから、
コンコルドが
到着していた。)
いち早く出口に向かう石丸の左側に
一人の
白人がピタリとついた。
と同時に、右側には、小さな
黒人がついた。
首を90度曲げて、左を見ると、
ブレザーを着て、
銀縁メガネのヤサ男だ。
180度首を回して、右を見ると、
革のブレザーを羽織り、手に
黒いケースを
抱えている。
出口に近づいた時、出迎えの人々から、絶叫が起こった。
『ポーーーール!!!!』
『きゃぁーーーー!!!』
(ん?ポールと名の付く有名人?)
ポ・
ポール・マッカートニー!
すると、右隣は?
マ・
マイルス・デービス!
そうなのである。
石丸は、
ポール・マッカートニーと
マイルス・デービスを
助さん格さんよろしく従えて
ケネディ空港を闊歩したのでした。
(石丸を向かえに来た方の話によれば)
どう見ても、石丸は
東洋人の
付き人にしか見えなかった・・
おまけに、サムソナイト引きずってるし・・
カバン袈裟懸けにかけてるし・・